歴史を正視し、平和の道を堅持する日本国民とともに、友好関係をさらに発展させよう
-日本友人への公開状
中日友好に力を注かれる日本の先生方々、先輩方々及び青年の皆様:
今年は中日国交正常化40周年に当たります。これを契機に、我々日本で勉強している中国人留学生を含め、中国と日本の各界の方々は数多くの友好交流活動を企画し、一衣帯水の隣国である中国と日本の得がたい友情をよりいっそう深めていくことを期待しています。
ところが、石原慎太郎・東京都知事が自らの政治的利益のために、4月16日にいわゆる釣魚島の「購入」を宣言して以来、一部の日本右翼勢力はこの茶番劇に乗じ、中日関係にトラブルを起こそうとしています。9月10日、日本政府は全世界の中国人の激しい反対と中国政府の再三の厳正交渉を顧みず、釣魚島及びその付属の南小島、北小島を購入することを発表し、いわゆる「国有化」を実施しました。これは中国の領土主権を公然と侵害する行為であり、中国国民の感情を著しく傷つけ、中日友好関係を損ないました。
近代史を振り返ると、日本軍国主義は数回にわたり中国への侵略戦争を発動し、中国と日本の何千年もの友好交流を中断させただけでなく、中国人民を傷つけ、日本の一般国民にも甚大な災難をもたらしてしまいました。中日甲午戦争(日清戦争)末期、日本は清朝政府の敗北が確定になった隙に、釣魚島を不法に掠め取りました。中国国民は、「釣魚島の主権」に対する日本政府の主張を決して認めず、断固反対します。
第二次世界大戦終戦以来の数十年間、日本は平和憲法のもとで、平和的発展の道を堅持し、戦時中の日本に比べ、見違えるほど発展を遂げてきました。「前事不忘、後事之師(前事を忘れざるは後事の師なり)」。いまの日本政府はドイツを見習い、戦前の日本ときちんとけじめをつけ、第二次世界大戦中に犯した罪を認め、歴史を正視し、深く反省すべきであります。こうしてはじめて、日本は国際社会と周辺諸国から信頼され、日本民族の偉大さを国際社会に認めさせ、歴史の重荷を下ろし、更なる輝かしい発展をやり遂げることができます。
現に、石原慎太郎のような右翼政治家が日本政治を右の方向に誘導するだけでなく、一部の政治家は右翼勢力の票を取るため、意図的に「島の国有化」など荒唐無稽な行動を起こしました。こういった火遊びのような行動に対し、平和を愛するすべての人々、とりわけ日本国民を含む軍国主義によって傷つけられたアジアの民衆は警醒を起こさなければいけません。
日本で生活している我々留学生は平和を愛し友好な日本国民が大好きです。一方、中国と日本の友好関係に不和の種をまく人にもひどく憤りを感じております。近日、とある日本外交の古参はマスコミに対し、「中日友好より両国は安定した関係をはかるべき」、「今は両国が双務関係から『友好』という語を取り除く過渡期だ」と発言しました。このような中日友好を断絶させ、「島購入」の騒動で中日青少年交流が妨げられた責任を中国側にすりつけようとした言動は是非を転倒し、公然と右翼勢力のお先棒を担ぐものであります。このような無責任な人が中国大使経験者であるなんて、道理で中日関係にはしばしば問題が起きてしまうのではないでしょうか。
もちろん、うれしいことに、大江健三郎氏をはじめ、日本の有識者方は「島購入」の騒動は中日関係を損なうことを認識し、右翼政治家の下手な演技を見破っておられます。中日友好に尽力してくださる数多くの日本友人も中国人留学生と交流する際に、右翼政治家が自分自身の利益のために中日両国の友好を犠牲にする行動に反対と反感の意を表しました。
我々在日中国人留学生はここにて、改めて日本政府のいわゆる釣魚島を「国有化」する行動に対し、断固たる反対と強い非難の意を表します。同時に、留学生たちに理性的な愛国を提唱し、これからも歴史を正視し平和的発展の道を堅持する日本国民との友好関係を促進させていこうと存じます。また、日本の友人の皆様に中日関係を悪化させた真の原因をはっきりと認識し、歴史を正視し、中日友好を大切にしようと訴え、日本政府に中日国交回復当時の政治家が持っていた勇気や知恵を学び、「島購入」の誤りの是正を促していただこうと懇切に期待しております。
全日本中国留学人員友好聯誼会
2012年10月30日