今回刊行される『紅の軍―長征史詩 THE LONG MARCH-』の原書『長征史詩』は2006年に中国で出版され、当時弱冠32歳だった文学者・何輝が6年もの年月を費やして紡ぎ上げた全37編、二万行にも及ぶ叙事詩は、現地で大変な話題となった。今回はその『長征史詩』から、特に重要な十篇を選んで日本語化し、収録している。
「長征」とは、紅軍が1934年10月から2年もの長期に渡り中国国民党軍と交戦しながら徒歩で1万2500kmもの距離を移動した史実のことで、中国国民には「人類史上の偉大な奇跡」、「その後の現代中国成立につながる革命への種まき期」と認識されている。
また本書には『梁山伯祝英台伝説の真実性を追う』、『小説 梁山伯と祝英台』、『梁祝口承伝説集』『孟姜女口承伝説集』(いずれも日本僑報社刊)の渡辺明次氏と、北京外国語大学教授で、現在、東洋大学教授の続三義氏による共訳和文が中国語原詩と見開きで収録されているため、作品をより深く味わえるようになっている。