東経大の周先生から、劉先生がなくなられたとのお知らせを受け,一瞬のうち頭が真っ白になり,この知らせをどうしても信じませんでした。2か月前に先生をお見舞いし,国立でお会いしたばかりであり、先生の笑顔が目に焼き付いています。これが永遠のお別れとなるとは信じなかったからです。
在日新華僑学者のうち、私ほど劉先生と長くお付き合いし、またお世話になった者はいないと思います。今から23年前、つまり1982年ごろに劉先生が東京経済大学を代表して,私が勤めていた対外経済貿易大学を訪問し,経貿大と東経大との交流協定を結びました。当時私は経貿大日語研究室の副室長を務め、東経大との協定交渉に直接携わりました。この協定に基づき、ここ23年間の間に東経大は経貿大のために多くの人材を育成したと同時に,東経大も毎年学生と先生を経貿大に派遣し、東経大の対中交流に大きく貢献しています。私自身も劉先生の勧めで私費留学の決意を固め,再来日し,東経大で5年間も勉強しました。もし、劉先生の努力がなければ来日することができなかったかもしれません。東経大に留学している中国人学生のほとんどが劉先生のお世話になっていると思います。1990年に東経大博士課程修了後、私も劉先生と同じように大学教員の道を歩みましたが,この15年の間に,ずっと劉先生のお世話になっています。学問だけでなく,人柄からも劉先生から多くのことを学びました。
先生のご逝去は祖国の統一事業にとって大きな損失です。沈痛の念を禁じ得ません。劉先生,この20数年間、本当にお世話になり,深く感謝致します。そして,劉先生ご安心下さい。先生の遺志を私は受け継ぎ,先生の未完の道を今後歩んでいきたいと思います。
張紀潯(城西大学教授、日中経済発展センター理事長)