劉先生のご逝去を知り、あまりにも早すぎた死に驚きました。
立派な老師を失ったことで、誠に心痛です。劉先生の「音容笑貌」は、永遠に忘れられないでしょう。
1980年代末、東京で多くの台湾からの留学生と友たちになり、日常茶飯事のように、皆さんの口からいつも劉先生の名前をよく聞きました。皆さんにとっての劉先生は、先輩であり、大いに尊敬すべき大学者であり、また多くの後学を庇護、「提携」する人格者でありました。そのときから、私も劉先生に対し、心から尊敬する念をいたきはじめました。
教授会議のご縁で、劉先生のお目にかかり、そこではじめて、台湾留学生の、そして自分の劉先生に対する尊敬心を伝えることが出来ました。しかし劉先生は台湾留学生の話を聞き、穏やかな口調で、それはみんなの誤解だ、僕はそんなに立派ではありませんよとおっしゃいました。先生の人格の深さを、ふたたび感じさせられる瞬間でした。
台湾の出身の劉先生は、自分の晩年を両岸の和平、祖国の統一を促進することに捧げました。偉業の達成を目にすることが出来ずにこの世を去りましたが、先生はなぜこうした高遠の志を抱くようになったのか、海峡の両岸から日本にやってきた同胞たちにみんな考えていただきたいことです。
私たちは劉先生の思想と人格を心から尊敬し、そのため、実際の行動を通じて先生の遺志を継承し、残した偉業を引き続き推進します。これは、天国にいる祖国の統一の大業を見守っている劉先生を安心させ、慰める最良のことだと思います。
劉先生、劉先生の偉大な人格と思想は永遠に。
神戸大学 王 柯