「中国政治の心臓部に桜を植えた日本人=『さくらの女王』が新著で初めて披露」 レコードチャイナが配信(11/18付)
http://www.recordchina.co.jp/a97586.html
中国ニュース通信社「レコードチャイナ」は11月18日、日本僑報社刊の『日中関係は本当に最悪なのか―政治対立下の経済発信力』(日中経済発信力プロジェクト編)の本文の一部を抜粋する形で、ニュース記事を配信した。
記事は「中国政治の心臓部に桜を植えた日本人=『さくらの女王』が新著で初めて披露」とのタイトルで、ヤフーニュースをはじめ多数のサイトに掲載された。
記事のもとになったのは、公益財団法人「日本さくらの会」女王委員の工藤園子さんによる「日中をつなぐ桜の架け橋」と題する同書への寄稿。工藤さんは中国政治の心臓部である北京の中南海に、中国側からの依頼で桜を植樹した貴重な経験を書き記している。
レコードチャイナに配信された記事全文は、以下の通り。
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国土交通省を主務官庁とする公益財団法人「日本さくらの会」で第4代日本さくらの女王に選出され、現在は同会の「女王委員」を務める工藤園子さんが、中国政治の中枢部、北京の中南海に桜を植樹した経験をこのほど新著で明らかにした。
中南海は、中国共産党の本部や政府要人の住居などがあるエリア。一般人の立ち入りは通常禁止されている。この知られざる中国の心臓部に桜を植樹したきっかけは、中国建国の功労者の1人である聶栄臻(ニエ・ロンジェン)元帥(1899~1992)の親族から依頼があったことからだった。聶栄臻元帥が第二次世界大戦中に日本人の女の子の命を救った事を日本の新聞が取り上げ、その女の子が名乗り出た事で彼女と聶家の交流が始まった。聶家は中南海に元帥の記念館を開館しており、この記事がもとで訪問者が増えたという。
そこで聶家は「日本からのお客様を接遇するに当たり、友好の印としてぜひ桜を植えたい」と希望。聶栄臻の娘である聶力(ニエ・リー)将軍が、「八一学校」の同級生であり、旧交を温めていた吉田進氏(環日本海経済研究所理事長)に相談した。八一学校とは終戦後も中国に残った日本人家族の子どもたちが、中国人の子どもたちと共に学んだ場所である。
吉田氏の要請を受けて日本さくらの会が協力し、晴天に恵まれた2010年11月25日、聶栄臻元帥の記念館前庭で植樹式が行われた。式典に参列した工藤さんは「軍からも将校や士官が加わり、聶力将軍の力強いスコップ運びに日中両国の明るい未来が感じられた」と書き留めている。
日本さくらの会はこのほか、中国の日本留学経験者らのリクエストで上海市内の魯迅公園、上海郊外の公園・東方緑舟、澳門(マカオ)などにも桜を植樹。それらはいずれも欧米などへの「日本主体」の記念植樹と異なり、日本文化や日本との交流を重んじ、日本理解の上に立った「中国人主体」の植樹であり、「まさに『日中友好の桜』である」と工藤さんは記している。
※日本僑報社刊『日中関係は本当に最悪なのか―政治対立下の経済発信力』(日中経済発信力プロジェクト編)より