5月27日(金)東京駅前の八重洲ブックセンターにて、『中国人の価値観』刊行記念陳淑梅先生×重松なほ氏トークイベント「答えはすべてここにある!」が行われました(主催:八重洲ブックセンター・協賛:日本僑報社)。当日は著書の章だて「生存」「政治」「経済」「文化」「社会」に沿って、翻訳した重松なほさんがNHKの中国語講座でおなじみ陳淑梅先生に疑問をぶつける形式で進められました。
著書の「生存価値観」によれば伝統的に中国では生まれた後の努力も天命観と信じられていましたが、現代は決して天命に甘んじることなく自ら運命を勝ち取っていく時代。1986年に来日した陳先生は、当時の心境を「日本に来てからはとてもよくしてもらい、誰かが必ず手を差し伸べてくれて自分のやりたいことを実現できた」と改めて振り返りました。
「家」と「国」を分けて考えないことがベースにあると書かれていた「政治価値観」については、子供の運動会の日に仕事に行き職場で驚かれた自身の体験から、仕事をすることも国のためという意識があるという中国と日本の考え方の違いを分かりやすく説明、2015年流行語大賞にもなった「爆買い」についても率直に体験を語ってくれました。買い物は主に親戚や友人に買いますが、最近では自分のために買う人が多いそうです。
文化・社会価値観では出身である天津の人の気質を「割と保守的」と解説、日本で活躍されている先生ならではの視点でユーモアたっぷりに話しました。翻訳者にとっては生まれる前の文革時代の生活模様も率直に質問、陳先生は30年という中国の変化を見てきて感じた中国人の価値観の変化を丁寧に説明してくださり、終始和やかなムードで対談を終えました。