読売新聞 12月17日(土) 第五面
YOMISAT
中国・アジア
中国マスコミ対処法出版
日本大使館公使「対日理解と客観報道を」
【北京=藤野彰】在北京日本大使館のスポークスマンである井出敬二公使(広報文化センター所長)が今月、中国マスコミ対処法をテーマにしたインタビュー集「中国のマスコミとの付き合い方――現役外交官第一線からの報告」(日本僑報社)を出版した。
同書は、井出氏が昨年2月の北京赴任以降、日本語情報誌に発表した連載インタビューや、中国の新聞・雑誌に掲載されたインタビュー記事を日本語と中国語で編集したもので、中国在勤外交官が広報業務報告を公刊したのは初めて。
中国マスコミとの付き合い方については、「日本関連情報の伝え方の注意点」「中国のマスコミへのクレームの仕方」などの項目別にマスコミ対応のポイントやコツを具体的に語っており、中国の日系企業関係者にとっても参考になる情報が盛り込まれている。
また、中国メディアとのインタビュー記事では、中国人記者が日本のどんな問題に関心を抱いているか、日本大使館としてどう対応しているか、などの現状が報告されている。
井出氏は「今年は反日デモなどがあったが、中国人の対日理解が圧倒的に足りないと痛感している。本書を中国人記者にも見てもらい、日本について客観的報道をお願いしている」と語り、相互理解の必要性を強調している。