東京新聞「国交正常化前 邦人戦犯帰国に尽力」李徳全氏の功績を大きく報道
【日本僑報社発】東京新聞(11月19日付)は、特報面で「国交正常化前 邦人戦犯帰国に尽力」「中国人女性に再び光」「書籍刊行、映画化も」と題し、戦後日本人戦犯の帰国に尽力した中国紅十字(赤十字)総会会長の李徳全氏の功績と、日中国交正常化45周年の今年、その功績に再び光を当てる取り組みが日中双方で広がっている現状について大きく伝えた。
それによると戦後初の中国代表団を率いて訪日した李氏について「千人余のB・C級戦犯の名簿を携え、帰国を促進する。李氏の親しみやすい雰囲気もあって、各地で大歓迎を受けた」などと紹介。副団長だった廖承志氏が日本の経済人たちと会談を重ね、特に高碕達之介氏との話し合いが両氏の頭文字をとった「LT貿易」の基盤となって、後の国交正常化(1972年)を促進する背景の一つとなったことを伝えた。
さらに国交正常化45周年の今年、李徳全氏の伝記が中国で出版され、続いて日本語版の『李徳全』が日本僑報社から出版されたこと、日本のキリスト教徒や研究者でつくる「李徳全女史研究会」が設立されたこと、10月には明治大学で、李氏に焦点を当てたシンポジウムが開かれ、「日中で映画化に向けた動きがある」との報告がなされたことなどが報じられた。
同シンポジウムのコーディネーター役を務めた明治大学の加藤徹教授(中国文化研究)はコメントで「(日中は)実は非常に心温まる思い出がある。日中近代史には、まだまだ未発掘の忘れ去られたようないい話が眠っている」と「友好の歴史をひもとく意義を強調」した。
『李徳全』日本語版 http://jp.duan.jp/242.html