朝日新聞北京特派員山根祐作氏の報道によると、一時停刊処分となった中国共産主義青年団(共青団)の週刊紙「氷点週刊」の李大同・前編集長が、停刊をめぐる共産党や新聞社内部の動きなど内幕を暴露した著書「ニュースで今に影響を与える――『氷点週刊』の記録」が、中国本土で発禁処分となったことがわかった。
李氏によると、同書は、95年の創刊から今年初めの停刊処分に至るまでの同紙と当局の衝突を詳述。先月に日本で出版された
著書(『「氷点」停刊の舞台裏』--転載注)で紹介した、党幹部とベテラン記者との生々しいやりとりなども盛り込み、出版の準備を進めていた。
メディア関係者らによると、3日までに中国政府の国家新聞出版総署から、中国本土のすべてのメディアに対し、同書の出版や転載を一切禁じるとする通達が出された。李氏はやむなく、香港だけでの出版を目指すという。
李氏は朝日新聞に対し「著書は、中国に言論の自由が必要だと訴えたもので、本当は中国本土で最も読んでもらいたかった」と話した。 (7月3日付の朝刊から転載)