
日本僑報社から『
中国のマスコミとの付き合い方-現役外交官第一線からの報告』を出版された井出敬二・外務省大臣官房参事官が、新たに『パブリック・ディプロマシー・「世論の時代」の外交戦略』(PHP研究所)を共著で上梓された。
本書のなかで、井出参事官は、2007年7月まで3年5ヶ月もの間、在中国日本大使館公使・広報文化センター長として公務に就かれた視点から、「日本の対中国パブリック・ディプロマシー」を執筆された。
井出参事官によれば、パブリック・ディプロマシーとは、「外国市民と、メディア、文化、教育、市民交流等を通じて接触し、彼らの考え方『世論』に働きかけ、ひいては政府の考え方に働きかけを行う」ということであり、そのような働きかけにより、外国との複雑な関係をマネージする一助とする目的があると言う。
公使の間、反日デモ(2005年4月)が起こり、外交の実務に対する対中国パブリック・ディプロマシーを対中外交のなかで、どう位置付けるべきかという問題を改めて突きつけられた井出参事官。論文では、その後日本関係者が何を考え、いかなる対応を取ってきたか、どのような困難、課題と展望があるのかを中心に述べられている。
机上の空論ではなく、実務に関わる立場から、どのように情報発信(新聞・雑誌・テレビ・書籍・インターネット)をするか、日中における文化・芸術活動、日本語教育などを通して、いかに交流の拡大、新日層の拡大をはかるか、実際的な側面を描いている。
また、井出参事官は、1997年7月から2001年1月まで、在ロシア大使館広報文化センター所長も務めていた。論文中で、その経験をふまえて考察されている点も興味深い。
井出官房参事官がどのように、対中国パブリック・ディプロマシーを行っていくか、言及した日本僑報社出版の『
中国のマスコミとの付き合い方-現役外交官第一線からの報告』も併せて、ぜひ、ご高覧下さい。ご参考になることと存じます。