本日5月8日12時から行われた胡錦涛主席歓迎レセプションを参加してまいりました。胡錦涛主席のスピーチや会場の様子をいち早く号外として配信いたします。
◇胡錦涛主席 訪日歓迎レセプション 会場の様子
http://duan.exblog.jp/7860778/
◇胡錦涛主席 訪日歓迎レセプション
http://duan.exblog.jp/7860801/
◇厳重な警備
http://duan.exblog.jp/7860939/
◇レセプション会場のグランドプリンスホテル赤坂
http://duan.exblog.jp/7860945/
今回、約10年ぶりの中国国家主席の訪日となります。前回の江沢民主席(当時)の訪日と比べると、セキュリティが大変厳しくなっていました。携帯電話もカメラも胡錦涛主席がいらしゃる時間帯には、一切持ち込めませんでした。
笑い話ですが、会う人会う人にまず「段さん、カメラはどうしたの?」と尋ねられました。
江沢民主席の歓迎レセプションの時は、至近距離から撮影できました。江主席の前にはラインが引いてありましたが、真正面からフラッシュを焚いて一眼レフで写真を撮ったのを覚えています。
幸い、今回の歓迎レセプションでは、胡主席入場と退出、通路の左側に立っておりましたので、胡主席の笑顔がしっかり見えたほか、退場されるときは握手もできました。感激です。
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注目されていたスピーチですが、これまで冬が長かった日中関係に配慮したものでした。「暖春の旅」に来日できたことを喜び、丁重なた言葉遣いで、主催の日中友好7団体に対して、「日中交流の功労者」など多くの評価する言葉を述べられ、敬意を表していました。
しかし、敢えて述べるのなら、3点残念な点がありました。もちろん評価できる点は多くありましたが、一民間人として、胡錦涛主席に「完璧」を求めて苦言を呈したいと考えました。
1.人間味に乏しかったこと
スピーチでは、胡錦涛主席自身のエピソードは語られませんでした。昨年訪日された温家宝首相は、人間味あふれるエピソードが多くあったため残念です。
温家宝総理は国会で講演されたあと、「ママ(お母さん)」に電話した話をレセプションで話されたものです。国会演説を「ママ」に誉められたと照れくさそうに話す温総理に、会場は大きな笑い声に包まれ、皆そのエピソードが心に残ったものでした。
◇「温家宝総理来日歓迎レセプション」に参加してhttp://duan.exblog.jp/5151029/
◇温家宝総理来日に関する論評http://duan.exblog.jp/5151034/
◇日本僑報電子週刊「温家宝首相来日特集」http://archive.mag2.com/0000005117/20070413171359000.html
また、『WEN JIABAO 投手 背番号 35』http://duan.jp/item/058.htmlで描かれたように、立命館大学で段取りをすっぽかして、野球に夢中になったというエピソードもあります。
しかし、胡錦涛主席は今回のレセプションでは自分自身のことには触れませんでした(おそらく真面目で几帳面といわれる胡錦涛主席の原稿の棒読みが原因かもしれませんが・・・温家宝総理の場合は原稿なしでした)。訪日前に中国で行われた日本のマスコミ(北京特派員)との会合では、「好きな日本映画は?」と聞かれ「おしん」と答えたと聞きます。同様に、レセプションでも親しみのもてるエピソードを話されたほうがよかったのではないでしょうか。
胡錦涛主席の訪日は、3度目です。最初は85年、次が98年、そして今年です。長年青少年交流を中心に携わってこられ、訪日も3回目なのですから、腹を割って日中交流を行ってほしかったと思います。少なくとも、日中友好に最前線で携わる人々が集まった今回のレセプションのような場所では、もっとリラックスしていただきたかったようにも思います。
2.華僑華人への言及
スピーチの中で、主催の日中友好7団体へは丁重な口調で、「日中における功労者」と称賛がありました。それ自体は大変素晴らしことです。
しかしながら、共同主催の華僑華人4団体、特に日本で民間大使として貢献している多くの華僑華人、留学生へも、言及してほしかったと思います。残念ながら、スピーチではどこにも触れられませんでした。(華僑華人・留学生・中国企業の代表たちとの会見が、設けられていることは承知していますが。)
3.日本国民の目線を感じるべき
私の聞きもらしかもしれませんが、全ての日本国民に向けたメッセージはほとんどなかったと思います。福田総理などハイレベルな会談だけではなく、日本国民の目線を感じ、もっとメッセージを発してほしかったと思います。
例えば、日本で中国語を習っている人々は、200万人いるとも言われています。華僑華人が民間大使であるように、日本で中国語を学ぶ人々も民間大使です。胡錦涛主席や福田総理が昨日の会談で述べたように、「互いの国民感情」に対して、配慮すべきなのです。
レセプションの出席者は、2000人ぐらいでした。第一線で日中交流に尽力している日本の皆さんへの感謝、そして参加できなかった方々に対し、メッセージを送るべきでなかったでしょうか。
全体としてすぐれたスピーチではありましたが、心に残るエピソードが少なく、印象に残りにくいスピーチであったかもしれません。
辛口の論評ですが、スピーチの中で拍手が10回以上わき起こったこともつけ加えておかなくてはいけないと思います。スピーチの最後には、笑い声も起きました。主席が「ありがとうございました。」と日本語で述べられ、会場は和やかな雰囲気に包まれました。
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5月10日まで滞在される間、多くの機会があると思います。
胡錦涛主席は、84年の日本青年3000名による中国訪問の責任者でした。日中交流に携わられて24年以上の年月です。日中のエピソードに事欠かないでしょう。3000人の日本青年と会ったとき、前回や前々回の訪日、今回の訪日の中国での反応など、ぜひ、記憶に残る日本国民に対するメッセージを。
待ち望まれた胡錦涛主席の訪日は、日中民間交流のもっとも重要な立て役者なのですから。
◇日本僑報電子週刊「胡錦涛主席『暖春の旅』特集」http://archive.mag2.com/0000005117/index.html
段躍中@2008.5.8午後5時50分
※早稲田大学での講演は、心を打たれる言葉が多くありました。
日中友好7団体と華僑華人団体主催の歓迎会では、胡主席の人間味溢れる場面があれば、なおさら・・・。両国民の心にしみこむのは、拍手より笑い声・・・。