10月8日都内海洋船舶ビルにて行われた佐藤公彦教授講演会『上海版歴史教科書の「扼殺』(主催:日下スクール、司会:段躍中)に、大勢の方にご参加いただきました。
ご参加下さった方から感想をお寄せいただきましたので、匿名でご紹介させていただきます。ありがとうございました。
佐藤公彦先生著書
『上海版歴史教科書の「扼殺」』
『氷点』事件と歴史教科書問題』
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佐藤先生の講演を聞いて
仕事に追われるなかで、一般紙しか読まなくて、最近は中国の動向などから疎くなっていたのでしょうか。先日の佐藤公彦先生のお話を伺ってつくづくそう思いました。「氷点」事件から上海教科書事件までの経緯がよく理解できましたが、中国からみた場合には、対日政策にはかなり大きな影響のあることなので、このお話しは、興味深く、かつ同時にこの本を出版されたことの重大さも感じましたし、これでお咎めがないのも不思議な気持ちでした。
科学的発展観からいえば、上海側の主張が正しいのかもしれません。ただ、不思議な感じがぬぐえないのは、日本の侵略、罪業は、中国のなかでも長江流域が一番ひどかったと言った東北出身者(中国の)がおりましたが、それならなおのこと、「上海」がそうであって、北京がこれを
批判するという構図はどこからくるのかという疑問です。北京といっても一部の歴史学者が上海批判派なのか、北京の政府関係者全般がそうなのか。また、これは特定の政治家との関係が背景にあるのかといった疑問も湧いてきました。中国のなかに、国内問題についての意見の相違があるのは当然としても、対外的に意見が違い、矛盾が起きてくるというのは中国にとっては大変大きな問題です。
また、単に上海は実務派(企業)が多く、北京は理念派(官庁)が多いからなのか。まだ、当日購入した書籍を読んでいないので、これも知りたいことです。
連続して訪中してきた私は、最近は、北京が作成した日程に、上海が入っていないことに何度も注文をつけたのですが、申し訳程度に帰国時の空港だけを上海にするか、あるいはせいぜい観光を半日入れるということでしたので、なにか割り切れない思いでおりました。いまの中国を理解するには、北京も上海も両方を見ないと解らないというのが私の意見です。
逆に、日本を理解してもらうには、やはり東京と大阪の両方を見ないと解らない と、大阪育ちの私は強く思っておりますので・・・・・・。