(プレスリリース2008年11月26日)
JICA中国事務所副所長による日中ODA入門書
(『
日中関係とODA―対中ODAをめぐる政治外交史入門』)
11月27日、日本僑報社は岡田実著『日中関係とODA―対中ODAをめぐる政治外交史入門』を刊行する。JICA中国事務所副所長の職にあり、中国の政治、外交をテーマとする気鋭の中国研究者である著者が、日中平和友好条約締結と中国の改革開放30周年にあたる今年、一般の読者の方々にわかりやすいように整理・考察を試みたもの。
胡錦涛主席の「暖春の旅」では、円借款についての言及があった。対中円借款の終了が既に両国間で合意している背景があったためだが、では、対中ODAは、いつ、何故、どのように始まり、なぜ円借款の終了が決定したのだろうか。
本書は、この2つの問題意識を軸として政治外交史的観点から、日中関係の四つの基本文書(日中共同声明〔1972〕、日中平和友好条約〔1978〕、平和と発展のための友好協力パートナーシップの構築に関する日中共同宣言〔1998〕、「戦略的互恵関係」の包括的推進に関する日中共同声明〔2008〕)と対中ODAの相互関係を読み解く。
中国と「平和構築」をいかに実現すべきなのか。本書を契機に、読者それぞれのフィールドで様々に中国との関係をデザインしようとの“格闘”が再開されるならば、今後の発展途上国への平和構築支援において、最も説得力を持つ日本の資源となろうという著者の熱い思いが、事実によって語らせようとするクールな筆致の行間から窺うことができる。
最新動態として、四川大地震に対する日本の緊急援助と日中関係についての考察も収録。
来年は対中ODAの出発点となった大平総理訪中から30周年の節目にあたる。中国と関わりのある方々、これから中国と関わりを始めようとしている方々にとって有意義な一冊。日中平和友好条約締結30周年記念出版。
【著者紹介】岡田 実(おかだ みのる) 東北大学法学部卒業後、民間企業勤務を経て、1988年に国際協力事業団(現独立行政法人国際協力機構、JICA)入団。北京大学留学、JICA中国事務所員、中国援助調整専門家として対中ODAに関わる。2006年法政大学大学院にて政治学修士号を取得(修士論文「対中ODAの始動をめぐる「危機」と「和解」の政治構造―1976-1982を中心に―」)。現在JICA中国事務所副所長。
日本僑報社
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