
在日中国人学者曹櫻先生編著の『日中常用同形語用法作文辞典』は、日本僑報社から5月29日に発売されます。ここに本書の表紙と佐藤先生の推薦文を掲載します。
詳細著者略歴:
曹 櫻(ソウ イン)大阪外国語大学大学院卒業(言語・文化学修士)。現在 ニイハオチャイナスクール心斎橋主任講師、和歌山大学など中国語講師。
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日本人が中国語を勉強する場合、いくつかの壁があります。
最初は何といっても発音でしょう。外国語によっては、日本語のカナ通りに発音してもそれなりに通じることもあるようですが、中国語はまず無理です。中国語辞典や中国語の参考書にカタカナで発音を書いているのを見かけますが、そのカタカナの通りに発音しても、まず通じません。それは無気音・有気音やそり舌音など、日本語にはない音があり、それらに違いをカタカナでは表記できないからです。
次は語彙です。日本語と中国語で同じ文字で表され、意味も同じであるような語、例えば「学生」と“学生”、「身体」と“身体”、「法律」と“法律”、「化学」と“化学”などであれば問題ありません。ところが同じ漢字(当用漢字と簡体字の違いということは別にして)で書かれても意味の違いがあるという場合が困るわけです。それも“手纸”と「ちり紙、トイレットペーパー」や「おっかさん」と“娘”のようなはっきりした違いならまだ間違えることは少ないのですが、やや微妙な「親切」と“亲切”や「覚悟」と“觉悟”などとなりますと、うっかりしますと誤解されやすい語ということになるでしょう。
曹櫻さんが執筆された本書は、そうした日中両国語において、同じ漢字で表していながら意味が異なるため、誤解されやすい語を集め、日本語と中国語ではどう異なるのかというのを多くの例文を挙げながら説明された、非常に有用な書物だといえます。こうした本の生命は、与えられた日本語に対する的確な中国語、与えられた中国語に対する的確な日本語であると同時に、いかに自然な日本語、自然な中国語で表現するかにあります。その点、本書は曹櫻さんの長年の苦心が実り、自然な中国語にマッチした見事な日本語となっています。ただ、曹櫻さんの日本語がいかに素晴らしいとはいえ、そうした中でも「日本語ネイティブ」としての私が若干気ななる日本語がありましたので、その点をいくつかご指摘し、話し合って修正した所もあります。
本書が、中国語の学習者、とりわけ初級から中級、さらには中級から上級を目指している学習者の方々に少しでもお役にたてば、監修者としては、望外の喜びです。
佐藤 晴彦