滔天会文化講演会
日 時: 2012年3月17日(土)午後1時30分~4時30分
場 所: 豊島勤労福祉会館 4階 第3-4会議室
演 題: 『上海万博後の中国経済(ソフトパワー)を検証する』
講 師: 江原 規由先生(前上海万博日本館館長)
司 会: 段 躍 中(日本僑報社・日中交流研究所)
会 費: 一人¥1,000 (当日・茶菓子代)
◆講演概要◆
新世紀に入ってかの10年間ほど、世界の目が中国に注がれ、かつ、中国がこれほどめまぐるしく変化した時代はなかったといえます。即ち、2001年WTO加盟に始まり、2002年胡-温体制誕生、日中国交30周年、2008年リーマンショック(金融危機)、北京五輪開催、改革開放30周年、四川大地震、2009年建国60周年、2010年世界第二位の経済大国、そして、新世紀入り10年の締めくくりとして上海万博開催などが指摘できます。 このうち、上海万博は中国経済の発展を示す一つの到達点であり、同時に、新たな始まりを演出した世紀のイベントであったと位置づけられます。上海万博の開催意義を知ることは、中国経済の現状を知る近道といっても過言ではないでしょう。
中国にとっての上海万博開催の最大の意義は、中国のソフトパワーが世界に発信されたことにあります。上海万博開催年の2010年、中国は日本を追い越し世界第二位の経済大国になりました。経済力(エコノミックパワー)で世界におけるプレゼンスを高める中国ではありますが、その身丈にあったソフトパワーはまだ十分発揮されていません。ソフトパワーとは、一言でいうと、「好感度アップ力」ほどの意味があります。喩えて言えば、成人に達した人にとっての社交術であり、中国が「ドラゴンの国からパンダの国」へとイメージチェンジするための術といえます。 中国では、目下、このソフトパワーを十分発揮し、今後、世界における発言力をさらに高めていくことが期待されています。上海万博後の中国経済は、ソフトパワーの発揮に大きくかかっているといってよいでしょう。
講演では、中国経済の現状を概観し、同時にソフトパワーの発揮という視点から上海万博後の中国経済を検証し、中国と世界の関係、中国と日本との関係を展望します。
■講師略歴■
1975年東京外国語大学卒業後、日本貿易振興会(ジェトロ)入会。1993年よりジェトロ大連事務所開設・赴任。
2003年ジェトロ北京センター所長、企画部事業推進主幹(中国・北アジア担当)、海外調査部主任調査研究員を経て、
2010年上海国際博覧会日本館館長、同日本政府副代表。
2011年国際貿易投資研究所(ITI)研究主幹。
このほか、1998年大連市旅順口区名誉市民の称号を授与される。2007年、2008年、2009年、2011年立命館大学大学院客員教授。2009年から山東省煙台市海外投資顧問。
■主な著書■
「上海万博とは何だったのか―日本館館長の184日間」(日本僑報社、2011年、http://duan.jp/item/121.html)
「中国経済36景」(中国外文出版社)「ドライブ イン 中国」(ジェトロ出版)ほか多数
日 時: 2011年12月3日(土)午後1時30分~4時30分
場 所: 豊島区 勤労福祉会館 6階 第7会議室
演 題: 『日中関係とODA(政府開発援助)』~北京駐在を終えて
講 師: 岡 田 実 先生(前JICA中国事務所副所長)
司 会: 段 躍 中(日本僑報社・日中交流研究所)
会 費: 一人 ¥1,000 (当日・茶菓子代)
◆講演概要◆
2008年は、日中平和友好条約締結と中国の改革開放30周年にあたり、また2009年は、対中ODAの出発点となった1979年の大平総理訪中から30周年の節目の年でした。さらに来年2012年は日中国交正常化40周年を迎えます。
なぜ、日本は1979年以来、中国の経済建設、改革開放への協力を進めてきたのか? 中国はなにゆえに日本との協力関係を受け入れてきたのか? この節目の時期を捉え、対中ODAの原点に時計の針を戻し、対中ODAの軌跡を辿り、日中関係の大きな背景の下に映し出すことを試みたいと思います。
また、2008年の四川大地震に対する日本の国際緊急援助隊、その後の復興支援、さらには東日本大地震に対する中国の支援などを通じた見た日中協力の現場について、お話ししたいと思います。
■講師略歴■
東北大学法学部卒業後、民間企業勤務を経て、1988年に国際協力事業団(現独立行政法人国際協力機構、JICA)入団。その後、北京大学留学(1990-1991)、JICA中国事務所員(1991-1994)、中国援助調整専門家(2001-2003)、JICA中国事務所副所長(2007-2011)として、対中ODAに関わる。
勤務のかたわら、2004年法政大学大学院政治学研究科(社会人夜間)入学、2006年に政治学修士号。2010年政治学博士号取得。主な著書に『日中関係とODA―対中ODAをめぐる政治外交史入門-』(日本僑報社、2008年、http://duan.jp/item/081.html)、「日本対華政府開発援助計画(ODA)中的人材培養事業」『改革開放与日本留学』第10章(中国・社会科学文献出版社、2010年)、『「対外援助国」中国の創成と変容1949-1964』(御茶の水書房、2011年11月予定)がある。