「歴史認識」が阻む日中交流
中国人学生1万370人アンケート
中国の学生は、日本や日本人についてどんな印象を持っているのだろうか。
中国107大学で日本語を学ぶ若者達の声を紹介する
大森和夫・国際交流研究所長

中国の「反日デモ」の余韻がさめやらぬ5月初旬、一通のメールを受取った。大連大日本語学部で日本語を教えながら東北師範大(長春市)の博士課程で研究を続けている劉愛君さんからだ。「中国の大学生による反日デモはやっと沈静し、本当に嬉しいことです。中日両国の交流と対話による相互理解の大切さをますます痛感させられました。これからも、微力ながら、一人でも多くの中国の学生の心の中に中日友好の種を蒔き、その美しい花を咲かせるよう、頑張っていきたい」と結んであった。
反日デモの火種が消えたわけではない。〝官製デモ〟の一面があったとしても、日本側は、デモの中核だった学生ら中国の若者の意識を知ることが重要ではないか。
そのための素材として、中国の日本語学習者(大学生、院生)を対象としたアンケートの結果を紹介したい。
■7割以上が日本の歴史認識に不信感
中国の日本語教育は、1972年の国交正常化以来、拡大し続け、現在、中国で日本語学部のある大学は120を超え、第二外国語として選択可能な大学や、日本語学校、中学、高校などを含めると、日本語を学んでいる中国の若者は100万人以上とみられる。大学で初めて日本語に接した学生や大学入試の結果によって日本語学部に振り分けられた学生は少なくない。多くの若者が日本語と闘っている。
彼らの一人でも多くに〝日本ファン″になってもらいたいと願って、16年前に夫婦だけの国際交流研究所をつくり、中国の大学との日本語交流活動を始めた。中国の大学生、院生を対象とした「日本語作文コンクール」は、資金などの都合で昨年の第12回で幕を閉じたが、送られてきた日本語作文は延べ1万5538編に達した。「日本語作文コンクール」の表彰式には夫婦で出席し、これまでに中国の20数大学を訪問し、多くの日本語教師や日本語を学ぶ学生たちと交流を続けてきた。国際交流研究所が独自に編纂した日本語教材『日本(上)』(330頁)」6千冊を今年2月に中国の101の大学に寄贈したところ、それぞれの大学で活用されている。
今回、日本語を学んでいる若者(大学生、院生)の素顔を日本政府や日本の人たちに伝えたいと考え、「日中友好」をテーマに、昨年12月~今年3月31日の間、アンケート調査を行った。99年3月~6月(回答数、80大学・7634人)、01年10月~02年1月(88大学・9183人)に続く3回目。日本と日本人にどんな気持ちを持っているか、日中の相互理解はできているか、10年後の日中関係は? 日本政府と日本人に言いたいこと、など7項目の質問で、理由などを自由に記述してもらう欄も設けた。約120の大学に調査用紙を郵送した。
回答用紙の回収などは、10数年来「日本語交流」を続けている遼寧師範大学(大連市)や中国日語教学研究会(中国の日本語学部のある大学の組織。会長・宿久高、吉林大学外国語学院長)の協力を得た。「この種の調査に大学側が難色を示しているため、その意向を受けて今回は見送ることにした」という中国海洋大学(青島市)を除くほとんどの大学が積極的に学生に記入を呼びかけてくれた。
回答は、北京、上海、天津、重慶、大連、南京、長春、武漢、西安、洛陽、広州、ハルビン、昆明など中国全土の107大学から1万370人(男・3016人、29%、女・7354人、71%)、という大規模な数にのぼった。回答の一枚一枚が、日本語で書いた日本への熱いメッセージである。
この結果、「日本語」を通して日本を理解しようと努力している彼らでさえ、7割以上が日本政府の歴史認識に不信を抱き、4割以上が小泉首相の靖国神社参拝に反対していることがわかった。そして、主にそれが理由で、日本に「親近感」を抱く学生は半数以下に落ち込んだ。一方で、中国の若者が日中の友好関係を心から願っていることも浮き彫りになった。
中国の若者には、①日本政府は「過去の侵略」を「認めない、反省しない、謝罪しない」、②中国を侵略した戦犯を奉る靖国神社への参拝は侵略を美化している、と映っている。アンケートのいずれかの項目に「靖国神社参拝反対」を表明した回答が4169人(40.2%)に上り、3年前の調査の4倍強に達したのは、小泉首相が01年に就任して以来続けている靖国神社参拝が、彼らの「反日」あるいは「嫌日」感情を強めたためだろう。
■圧倒的に多かった記述が、「歴史認識」についてであった。
「侵略の歴史を直視して、中国にキチンと謝ってほしい」「日本政府は中国での侵略行為を反省しないのが大嫌いだ」「戦争の歴史を正視しないし、謝罪しない態度は許せない」「日本人が広島や長崎の原爆を忘れないように、中国人民は南京大虐殺を忘れることはできない」「ドイツのように侵略を反省し、謝罪したら、アジアから尊敬される」「中日戦争の歴史上の問題や経済上の摩擦で、日本政府は中国に敵意を持っている」
戦争体験のない中国の若者にも「戦争の歴史」が重くのしかかっている。その象徴が靖国神社参拝なのだ。「中国人民の民族感情を傷つける靖国神社を参拝しないでほしい。靖国神社に中国を侵略した時の犯人を奉っているからだ」、「侵華戦争を否定し、首相が靖国神社を参拝するから、日本に親しみを感じない」という記述もあった。
外国との友好には相互理解が不可欠だが、「日中の相互理解はできていない(あまり、を含む)」と考える学生が、「できている(ある程度、を含む)」の2倍以上に上り、7割以上がその理由に歴史問題を挙げていた。
「相互理解ができていない」理由として、「日中の歴史教育の違い」を指摘する記述が目立った。「日本の若者は侵略の歴史を知らない」「日本政府は日中戦争の事実を日本の若者に伝えていない」「歴史について、日本と中国の学生が受ける授業の内容が違う」。中国の愛国主義教育が反映されているのは言うまでもない。しかし、日本政府に、過去の侵略に対する反省と謝罪を大きな節目で表明し、日中間の歴史認識の溝を埋める努力が求められているのではないか。
■6割が「日本人に親しみを感じる」
相互理解に否定的な理由は歴史問題だけではない。「両国の民間交流、特に青年の交流が足りない」「日本人とのコミュニケーションのチャンスが少なくて、相互交流ができていない」、「両国のマスコミは、悪い面しか報道しない」「両国のマスメディアは若者に正しい情報を与えていない。国際人の考えを育てることが重要だ」など、マスメディアへの注文や交流不足などの指摘があった。
一方、相互理解が「できている(ある程度、を含む)」とする理由は、「経済や文化の交流が進んでいるから」「中日は一衣帯水の隣国で友好の歴史が長い。世界経済は多極化し、共同の利益が多くなっている」などだ。
もっとも、10年後の日中関係についてたずねたところ、楽観論が4割を超え、多数だったのは心強い。「今より親しい関係」になると答えた学生が、「今より問題の多い関係/敵対関係」と答えた学生を約13ポイント上回った。他の設問で「歴史認識」を非難しても、この設問では明るい未来を志向する回答が目立った。
「社会の発展につれて、平和がますます重視されてきた。中国と日本もそれにさからえない。歴史にもこだわるべきではない」「両国は隣国で、貿易、文化交流などの面で互いに協力する価値が大きい。今の関係はまだ親しくないが、きっと両国間のしこりが解ける」「日本と中国は、以前は敵対関係でしたが、今は以前よりいい関係になった。10年後はもっといい関係になる」「時間の流れによって、日本政府の立場は変わるかもしれない。戦後に生まれた人が多くなって、両国は親しくなると信じる」など。
一方、3割弱の「今より問題の多い関係/敵対関係」と答えた理由の大半は、歴史問題、靖国神社参拝で、「中日間の越えられない壁」と考えている。「今と変わらない」や「わからない」についても、将来の日中関係は歴史認識に対する日本政府の態度次第、というのが大半だった。
興味深いのは、親しみの度合いに関して、「日本(日本政府)」と「日本人」の間に大きな開きがあることだ。日本(日本政府)に親近感を抱く学生は半数以下だが、「日本人に親しみを感じる(どちらかと言えば、を含む)」学生は6割を超えた。「歴史認識」についても、日本人に対する不信は約1割にとどまり、日本政府に対する不信の6分の1以下だった。対日批判の矛先は侵略を認めない日本政府に向けられ、親切でまじめな日本人には「親しみを感じる」学生が多い、という実態が明らかになった。
日本政府に対して「歴史認識」だけでなく、現実の日中間の個々の問題にも強い関心を持っていることも浮かんだ。「釣魚島(日本の「尖閣諸島」)は中国の固有の領土」「台湾は中国の一部。台湾問題に干渉したり、邪魔したりしないで」「台湾問題や貿易や、東海(日本の「東シナ海」)の開発など、これから日中間で摩擦が起きる」「国連の常任理事国になる前に、歴史問題を解決して」「日本が常任理事国になろうとしていることで、両国は敵対関係になる」
今後、尖閣諸島の領有権や台湾問題、東シナ海のエネルギー開発、さらに、日本の安保理常任理事国入りなどの問題が具体的に動けば、学生たちの間で反日感情が強くなる可能性は高そうだ。
日本政府に対しては、「アメリカの方針にばかり従わないで、アジアの国にいい印象を与えて」「中国脅威論をあまり宣伝しないで」「中国は脅威でもなく、敵でもない。日本と中国はもっと協力すべき」「日本語を勉強している私たちが日本へ旅行したり留学することを援助してほしい。日本の情報が足りない」など、さまざまな要望や注文があった。
彼らの切実な訴えの裏には、日中友好への「強い願い」が込められている。こうした声が小泉首相には、どう響くのだろうか。
「侵華の歴史は事実。中国と日本の民間交流は日一日と深くなっている。将来の中日友好のために歴史を正視してほしい」「世の中に永遠の恨みはない。日本は中国と協力しなければ発展しないし、中国も日本の協力を得ずには発展できないと思う」「中国に長い時間の経済援助ありがとうございます。歴史問題は、日本政府が過去を謝罪すれば終わり」「中日両国は一衣帯水だから、『兄弟』が激しく争うことはない」
さまざまな不満や危惧を抱きながら、それぞれに、平和で明るい日中関係を夢見ている。
日本の風景や若者文化、伝統文化への親しみから、「日本」に親しみを感じる学生も多い。「桜や富士山など、日本の風景が美しい」「中学校の時から、日本の漫画やアニメに興味があった」「隣国同士、漢字文化や習慣などが似ている」「日本の華道や歌舞伎など日本文化が大好き」。
だが、日本に「親しみを感じるかかどうか、わからない」と答えた1割強の学生の心には、やはり、歴史問題が影を落としている。「日本の文化や風景は好きだが、過去の抗日戦争の影響で親しみを感じるのは難しい」「日本の電気製品をよく使う。いつか日本に行きたい。しかし、靖国神社の問題がある」「昔の歴史を思い出すと憎しみを感じるが、今、日本人と交流して一緒に努力している」「これまで会った日本人はいい人だが、政府は侵華の歴史を理解しない」。
また、約2万社の日本企業が中国に進出しているが、「中国を『世界工場』と見なさないで、本当の貿易パートナーとして貿易活動を行ってほしい。中国で日本語を勉強している私たちを本当の人材として雇ってください」という要望もあった。
■日本人教師の果たす大きな役割
私はこれまでの交流で、もし日本語を勉強しなかったら、一生日本を恨んで、日本を正しく理解できなかったかもしれないという学生に数多く出会った。今回のアンケートでも、日本語を勉強してから、日本という国を深く知るようになったし、親しみを感じるようになったという記述が多数あった。「日本語」が若者の日本理解に大きな橋渡し役を演じ、同時に、教材不足など不十分な学習環境の中で日本語教育に携わっている多くの中国人教師が日中友好に貢献していることを、日本人として忘れてはならない。
激しい「反日デモ」が行われていた4月中旬、中国の日本語教師から約30通のメールが届いた。「今こそ、日本語をよく理解し、かつ国際感覚のある若者の存在が必要です。中日友好のためには、常に冷静にものを考え、行動しなければならない、と学生たちに言い聞かせております」(曲維・遼寧師範大学副学長)、「子々孫々まで中日友好はわれわれの共通の願いである、と教壇でいつも教えています」(胡以男・山東師範大学日本語学部長)など、どのメールも学生の動揺を危惧しながら、日本語教育と日中友好への情熱と使命感に満ちていた。
そして、多くの学生が、「日本人教師の真面目な態度で教えている姿を見ると、感動させられます」「日本語を教えてくれる親切な日本人のおかげで、日本と日本人に対しての考えが変わった。ありがとう!」など、身近にいる日本人教師によって日本への理解を深め、感謝の気持ちを綴っている。
現在、400人以上の日本人が中国の大学で日本語を教えているが、日中関係がギクシャクする度に学生の気持ちが揺れ、日本語を勉強したことを後悔する学生さえいるという悩み抱く日本人教師が少なくない。「初めて会った日本人」は「大学の日本人教師」という学生も珍しくない。相互理解を深める上で日本人教師の存在は大きい。
日本人に「親しみを感じる(どちらかと言えば、を含む)」理由はほかに、日本人に対する評価と親近感だ。「日本人はまじめで、礼儀正しい。お客に親切」、「日本人は真面目で、勤勉だし、協力精神もあり、ルールを守る」
逆に、日本人に「親しみを感じない(どちらかと言えば、を含む)」というのは、歴史問題のほかに、「日本人はアジア人を軽蔑する」「島国の日本人は自分の本当の考えをあまり人に言わない」「日本人の曖昧な言葉に慣れない」などの見方からだ。
また、7人に1人が「親しみを感じるか感じないか、わからない」と答えた理由は、「以前の日本人はたくさんの中国人を殺した。でも、今の日本人は仕事はまじめだし、礼儀正しい。だから、わからない」「礼儀正しいが、本心かどうか、わからない」「日本人と交流したことがあまりない」などだ。
「日本人に言いたいこと」では、日本人への親しみと感謝、訪中の誘いなど、さらに交流を望むメッセージなどがあるが、一方、苦情や不満も少なくない。「中国に与えられた様々な援助をどうもありがとう」「中日友好に力を尽くす日本人に感謝している。中日関係は順調に発展し、両国民の感情も深くなってきた」「新しい中国を見てほしい。素晴らしい風景や中日友好に熱心な人人がいる」「〝中国人は全部悪い人〝と思うのは間違いだ」「男尊女卑の思想は不合理だから直してほしい」
若い日本語学習者の心に確実に「友好」の芽は育っているものの、彼らの心情は「戦争の歴史」とのはざまで、揺れ動いている。
「日本語学部に入ってから、日本の文化や生活や科学などに親しみを感じるようになったが、日本が中国を侵略したことがどうしても忘れられない」「中日戦争のことが忘れられないのは当たり前。でも、日本語を勉強して、両国の友好貿易往来が頻繁になり、だんだん日本が好きになってきた」「歴史の問題がなければ、日本語や日本の文化などに親しみを感じる」、「日本語を勉強している私たちは中日友好のために一生懸命努力している。しかし、侵華戦争のせいで日本を恨む中国人がたくさんいる。日本政府が歴史を反省しなければ何にもならない」。
日本の「歴史認識」が今後の日中友好を左右するカギである、と彼らは訴えている。
■「桜」「漫画」「経済大国」
中国の若者が、どんな日本語を知っていて、日本にどんなイメージを持っているかを探るために、『「日本」から連想する言葉』についてもたずねた。その結果を見ると、意外に、学生たちが「日本」に関して多彩な知識を持ち幅広い関心と興味を持っていることが分かる。
「戦争」関連が3109人で全体の30%を占め、最も多かったが、次いで、「桜」が1113人(10・7%)、「漫画」が355人(3・4%)、「経済大国」が309人(3・0%)、「富士山」が289人(2・8%)、「アニメ」が272人(2・6%)など。
「日本」から何を連想するか、の設問にはさまざまの記述があったが、全体の約3割に当たる3205人が「日中の戦争」と関連する言葉や、そこから連想する言葉を次のように挙げた。とりわけ、「『戦争』関連の言葉」としてくくれるのが、『戦争、侵略(侵略戦争)、侵華戦争(侵華)、南京大虐殺、靖国神社、歴史教科書、抗日戦争、軍国主義、中日戦争、第二次世界大戦(二戦)、日本鬼子(小鬼子)、満州事変、日本軍、歴史(歴史問題)、軍人、七三一部隊、9・18事変、慰安婦、一九三七年、関東軍』。これに、「馬鹿野郎、残忍、野蛮、ひげ、恨み、刀、殺戮、血、敵」加えて「『歴史認識の言葉』としてくくった。
■不信解消へ三つの提言
「歴史認識」についての日中間の食い違いは大きい。情報管理など中国側にも問題があるにせよ、日本語学習者でさえ「過去の植民地支配と侵略」について「反省とお詫び」を表明した95年の村山首相談話の存在を知らず、知っていても直接中国と中国人民に宣言されたものでないことに不満を持つ学生も多い。
今回のアンケートで明らかになったのは、多くの中国の学生たちは、日本政府は過去の侵略戦争に対して「ドイツ政府のように、心を込めて、まじめに反省と謝罪をしていない」と考え、靖国神社参拝によってその思いを一層強めたことだ。それが、「歴史認識」問題の核心部分であり、中国政府の強硬姿勢を支えている。こうした日中間のギャップを埋めるために、日中双方がなすべきことは多い。膠着状態の日中関係を打開するために、次の3点を提言したい。
一、8月15日に、「過去の植民地支配と侵略」について、中国をはじめアジア諸国の政府に対して個別に、「反省と謝罪」を盛り込んだ「日本政府声明」を発表する。――小泉首相は4月下旬のアジア・アフリカ会議でも、95年の村山談話を踏襲した歴史認識を改めて強調した。それを政府声明として、「多大の苦痛と損害」を与えたアジア各国に発信すれば、日本政府と日本に対する非難と誤解は大幅に解消する。
二、内閣総理大臣は14人のA級戦犯が合祀されている靖国神社へ参拝はしない。――小泉首相は靖国神社参拝に対する反対意見を「内政干渉」と非難しているが、外国の声に耳を傾けて「共生」を目指すのが外交の基本ではないか。かつて、終戦記念日に公式参拝した中曽根首相(当時)が、「近隣諸国民の批判」を受けて、翌年の86年、公式参拝を取りやめた経緯がある。
三、将来の日中関係で重要な役割を担う日本語学習者(大学生、院生)の100人を、毎年、2週間日本に招待する。――なかでも将来日本語教師を目指す学生に日本での滞在体験の機会を与えることは、確実に日中友好の輪を広げる。
戦後60年を機に、日本政府は歴史認識に「けじめ」を付けるべきではないか。日本の対中国外交は、「歴史認識」問題が足かせとなって後手に回っている。国交正常化33年を迎える日中両国を隔てている深い溝を埋めるために、小泉首相は一歩を踏み出す決断をする時だ。