東日本大震災をテーマに2011年実施された第7回中国人の日本語作文コンクール(日本僑報社、日中交流研究所主催)で、3千人に及ぶ応募者の中から最優秀賞に輝いた北京の国際関係学院大学生胡万程さんについて、28日の有力紙東京新聞朝刊は第3面、「この人」欄でポーズ写真を付けて詳しく紹介した。
記事は、「ざまみろ、地震が東京で起きればよかった」と地震直後、ネットに書きこんだ同級生が「祖父をかつて日本鬼子に殺された」として態度を変えなかったが、粘り強い胡さんの説得で「再び震災が日本を襲ったら、救援に行く」と考えを変えてくれた、という作文の要旨を紹介。一方、副賞として今年2月日本旅行に招待され、回転すしや屋台に立ち寄り日本を楽しんだこと、将来「国際ジャーナリストになるのが夢」と語ったことなどに触れている。
話題の人を紹介するコラムは、日本のどこの新聞でも時流や世相を分かりやすく読者に知らせる欄として、人気がある。読者の閲読率も高く、「今日の○○新聞のひと欄を読んだ?」といった形で、職場や家庭で話題になったりする。それだけに記者からの出稿希望も多く、掲載されるのも競争がある。胡さんとしては、「顔を売った」ことになる。
2011年の中国人の日本語作文コンクール優秀者についての記事は、ほかに最有力紙朝日新聞がすでに取り上げている。同社電子版では、北京総局長の署名入りで「圧巻の日本語、中国人学生の実力に脱帽」との見出しを付けたコラムを掲載。次世代を担う中国の若い人たちが隣国日本をどう見ているか、何に関心を持っているかは、今後の日中の協力関係を占う上で、日本の大手メディアにとっても気になるところだ。関心の深さは、そうした背景があるとみられる。
日本僑報社によると、今年募集の第8回の同コンクールはすでに同社ホームページなどで募集要項が発表されており、「中国人が大声で話すのはなんでなのか」と「日中両国民が親近感を高めるための、私ならではの提言」をテーマにして、5月7日募集開始、同月末締切の日程になっている。詳しくは募集要項http://duan.jp/jp/2012.htmをご参照ください。