日本僑報社は、1996年創業、1998年から出版事業を開始し、日中関係に関わる歴史・政策学術書、人物交流、中国文化・習俗情報、中国語翻訳の手引書、中国観光ガイドブックなど、これまで200冊に及ぶ図書を発行してきた。今年、日中国交正常化40周年の記念すべき年を迎えて、「日中に関する本では、ほかでは読めない貴重な本がある」「感動した。よくぞ、こんな本を出版して貰ったと感謝の気持ちでいっぱいだ」などの、称賛の感想、そして問い合わせを戴くことが最近少なくない。
こんな時、いささか面映ゆい気持ちはするが、両国文化の交流に少しでも貢献出来ればという思いで日々努力を重ねてきたのが評価されたようで、正直非常にうれしく、励みになる。
また、わが社は2005年以来、毎年中国人の日本語作文コンクール、日本人の中国語作文コンクールを開催し、さらに日曜日の中国語交流のサークル「漢語角」を行うなど、交流事業の面でも、独自性を発揮してきたと自負している。
そこで今回、国交正常化40周年を迎えて、何かわれわれに出来る記念事業を行い、読者のみならず、書店、取次ぎ会社の皆さまにも日ごろ応援頂くことへの感謝の思いを表せればと考えた。それが“わが社の良書40点”の推薦だった。
推薦図書は、「中国を知る」「真の日本」「友好協力」「歴史と未来」の4本の柱のもとに、選ばせて頂いた。どれも、私どもにとってはその時々のエネルギーを注いで作らせて頂いた努力の結晶と言って差し支えない。
新中国に貢献した日本人:戦後、新中国の建国後もすぐに日本に帰国せず、さまざまな分野で中国に協力された日本人の壮絶な努力の記録だ。医師、看護婦、戦闘機パイロット、技術者など、家族ともども、ある人は一人中国に残り、中国が内戦を繰り広げた困難な時期に、生命の危険も顧みず貢献された人々の記録を、中国人ライターが丹念に調べた秘話の翻訳だ。
「氷点」事件と歴史教科書論争ほか:氷点とは、中国共産主義青年団の機関紙だった有力紙、中国青年報が以前、発行していた「週刊氷点」から取ったもの。同週刊は2006年に載せた論文記事が共産党中央で問題とされ、廃刊処分となる。中国の高校歴史教科書を読んだ大学教授が清朝末期の義和団事件などについて、歴史事実の解釈に問題があると指摘、歴史教育に力を入れた広沢民前政権を批判する形になった。結果的に学術論争に党が介入することに反発が起こった。この事件について、日本僑報は「氷点」4部作を出版、日本の歴史学者の間でも大きな反響を呼んだ。
中国人の日本語作文コンクール優秀作品集 第1回―第7回編 : 「中国人の語る友情、誤解」」「中国人は日系企業をどう見ているのか」「メイドインジャパンと中国人の生活」「甦る日本!今こそ示す日本の底力」など、日本語を専攻する中国の大学生が書いた作文の優秀作品集。現代中国の若者たちのリアルな日本観が、日本人の知らない盲点を指摘してくれる価値ある作品集7巻。日中関係の経年変化も見えてくる。
以上、紹介したのは、わが社の出版物のほんの一部だが、ほかで読めない記録、視点、広がり、奥行きなど、大いに自信あり。是非手にとって頂きたいと思います。http://duan.jp