国際シンポジウム「魯迅の起点:仙台の記憶」(05.09.27~28)
今から約100年前、中国の文豪魯迅が仙台医学専門学校(現在の東北大学医学部)に留学していました。その魯迅の仙台での学業と生活についての国際シンポジウムが、北京で開催されます。
(日時)2005年9月27、28日
(場所)北京市 魯迅博物館 多目的ホール
(主催)国際シンポジウム「魯迅の起点:仙台の記憶」開催実行委員会
東北大学、魯迅博物館、在中国日本大使館
(趣旨)魯迅の仙台医学専門学校における藤野厳九郎教授との交流は,魯迅の作品『藤野先生』によって両国国民によく知られています。
昨秋、魯迅の仙台留学100周年を記念して『魯迅と仙台』(東北大学出版会)が出版されました。仙台在住の魯迅研究者、魯迅愛好者、そして魯迅に範を求めて東北大学に留学した中国人留学生を中心メンバーとする魯迅・東北大学留学百周年史編集委員会の手になるものです。本書は,魯迅の仙台時代を新たに発掘された多数の新史料や写真で浮き彫りにし、魯迅の医学から文芸への転身を解明すると共に、藤野厳九郎教授による解剖学ノートを藤野教授の添削と共に解読・翻刻するなど、魯迅研究に新たな一石を投じました。
本書の中国語版が本年9月に中国大百科全書出版社・知識出版社から刊行されるのを記念し、本シンポジウム「魯迅の起点:仙台の記憶」を開催します。
シンポジウムは、中国語版『魯迅と仙台』の概要紹介と併せて、100年前の仙台で魯迅が直面した問題は何であり、なぜ魯迅は医学への志を捨てて文芸に向かったのか、仙台医学専門学校での藤野厳九郎教授の指導はどのような役割を果たすことになったのか、日中双方の魯迅研究の到達点はどうであるのか、等々の問題について、双方の専門家が報告討論します。
日中友好・交流の原点を再確認し、今後の友好交流の発展を祈念する場となることが期待されます。
(シンポジウムの概要)
(1)仙台時代
大村 泉/解 澤春 『魯迅と仙台』概要
渡邊 襄 魯迅の仙台時代
阿部 兼也 医学から文学へ
黄 喬生 中国語版『魯迅と仙台』 - その意義
Jon Kowallis(オーストラリア) Lu Xun's Sendai study and his early thought
(2)魯迅の解剖学ノートをめぐって
浦山 キカ 魯迅の解剖学ノートを翻刻して
坂井 建築 医学史と魯迅の解剖学ノート
島途 健一 魯迅と仙台 - 出会いを導くもの,出会いが導くものて
Yang Yanli Introduction to Lu Xun' Medical Notes
(3)魯迅研究の到達点と課題
花登 正宏 日本における魯迅研究の現状
孫 郁 魯迅の日本留学が語るもの
Sun Ge About Lu Xun research in Japan
Pak Zai-woo A Comparative study of Lu Xun and some Korean Students in Japan
(4)閉会
明日香 壽川 画像で見る仙台医学専門学校、東北大学と魯迅
佃 良彦/高橋禮二郎 現在の中国人留学生と魯迅
東北大学総長 閉会挨拶