8月24~26日、農林水産省の森林総合研究所や環境省の国立環境研究所および文部科学省の関連機関が主催したアジアFlux国際シンポジウムが山梨県富士吉田市で行われた。発表や出席のため、中国からは科学院所属の地理・資源研究所や西北高原生物研究所(青海)及び西双版納熱帯植物園(雲南)などの研究者が大勢参加された。彼らはシンポジウム参加後、近くに位置する山梨県環境研究所や農林省の野外観測ステーション、環境省の生物多様性センター、森林公園などを見学し、富士山の五合目までも登り、自然観察も行われた。
そして、27日には中国科学院西双版納熱帯植物園副園長兼雲南生態学会幹事長である曹敏教授(森林生態学専門家)や張一平教授(気象学専門家、広島大学博士)、沙麗清助教授(土壌学専門家)からなる東京視察団が東大見学・訪問した。東大農学部保全生態学研究室の鷲谷いづみ教授と西廣淳助手を始め、相次いで森林経理学研究室の白石教授や国際森林環境研究室の露木聡助教授、森林植物研究室の呉講師などと交流し、理学部小石川植物園の長田敏行園長や邑田仁前園長をも表敬訪問した。東京農業大学の箕輪光博教授も遠方からわざわざ駆けつけてくださった。そして、当日夕方には東京湾や日本科学未来館を視察しながら、お台場で気軽な交流会を開き、一部の東大中国人留学生代表や「雲南之友の会」のメンバー、大学村中国人留学生代表、千葉大学長の弟子、雲南に関心ある日本人学生の代表が一堂に集まり、中国科学院や国家クラス観光地と研究基地としての西双版納熱帯植物園や日本人のルーツと言われる雲南の印象や日々の留日感想など様々な話題を広げた。また、前世紀80年代初頭から東京湾を対象に多大な研究成果をあげた川島博之東大助教授や筑波農業環境研究所の新藤純子研究者なども参加され、お二人を中心としたグループは昆明湖を含めたアジアの農業や水資源、環境経済などを研究している。今後は更に雲南との学術交流や共同研究の可能性についても意見を交わした。東大「雲南之友の会」顧問でもある川島先生や招待会員の新藤先生はこれから雲南と中国各地での研究活動をより一層推進していく考えを表明した。視察団の曹団長は中国科学院所属の立場にしても地方の西双版納の立場に立つとしても西双版納への歓迎の意を表した。それぞれの立場の方々が東京湾の美しい夜景の中で雲南南部の遠い熱帯雨林の風景を想像し本当に多様性に富む有意義な一時でした。視察団の訪日目的は達成したようで、参加者もお互いに十分勉強になったようだ。(和愛軍 報道)