8月31日、国際交流基金本部において、中国高校生長期招へい事業第七期生の歓迎レセプションが、主催者国際交流基金日中交流センター、政府関係、外務省、中国大使館、支援企業、受入校、ホストファミリー他関係者多数参加のもと開催された。
当事業は、将来の日中関係を築く礎として、より深い青少年交流を実現させるため、日中両政府間合意のもと、2006年より開始され第六期生までで205名の高校生が参加しており、2012年8月時点で、第4期生までの135名のうち59名が日本の大学に進学するなど、本プログラムが日中交流促進に貢献している。
8月28日に来日した第7期32名(女子25名、男子7名)の高校生たちは、来年7月下旬に帰国するまで、北は北海道から南は沖縄まで日本全国に分散し、日本の家庭で生活しながら日本の高校で日本人の高校生とともに勉強に、クラブ活動に励む。日本での生活や人々との交流を通して日本社会や日本文化を体験することが日中の相互理解に大いに役立つものと考えられる。
主催者を代表して阿南惟茂日中交流センター所長は歓迎の言葉と共に、中国からは毎年高校生の長期滞在があるが、残念ながら日本人高校生の中国長期滞在がない。そこで現在中国政府は日本人高校生長期招へい事業を進めるべく準備していると挨拶した。
来賓として参加された中華人民共和国駐日本国大使館教育処 張浩帆三等書記官は、現在中日関係が微妙な状況にあるが、教育関係の交流は計画通り実施されているので、皆さんは、なにも心配せずに大いに勉強し、クラブ活動を楽しみ、友達をたくさん作り、日本の文化を学んでくださいと述べた。
当日は日本政府から元外務大臣政務官菊田真紀子衆議院議員(下の写真)が列席され、ご自身が黒竜江大学に留学した時の思い出や、留学生たちが1年間の日本滞在で経験したものを、帰国後家族や友人に伝えてくださいと生徒たちに話しかけた。
自己紹介では生徒一人一人が滞在中に通学する学校名を流暢な日本語で紹介した。また、生徒代表の許佳潔さん(上海甘泉外国語中学・高知県立高知西高等学校へ留学)は日本での生活を通して日本の文化を吸収し、多くの友人を作り、相互理解に努め将来の日中交流に役立てたいと強く語った。
懇親会では、食事をしながらホストファミリー、受入高校の先生と親しく会話し、日本での生活の第1歩を体験した。
都合でホストファミリー、受入れ校の関係者が欠席した生徒たちも、先輩の留学生や取材で参加している記者たちと親しく会話した。
日中関係が微妙な時期にもかかわらず、長期日本滞在に応募した本人、その子を送り出したご両親、ホストファミリーの方々、受入れ校の先生、クラスメートなど、このような人々が、将来の日中関係に多大な影響を与えるものと考えられる。
明日から生徒たちは、それぞれの地区へ分散し、再び顔を合わせるのは1年後となる。(文・写真 岩楯嘉之・NPO日中交流支援機構事務局長)