東京新聞は、中国人の日本語作文コンクールで最優秀に選ばれ、日本を訪問した李欣晨さん=千代田区で取材し、下記の記事を1月26日付けの紙面に掲載されました。ありがとうございます。
「中国人の日本語作文コンクール」で最優秀賞(日本大使賞)に輝いた李欣晨さん(21)が、副賞で日本に招かれた。二十五日に都内を観光し「思った以上に清潔です」と印象を話した。コンクールは日本僑報社・日中交流研究所(豊島区、段躍中所長)を中心に毎年開かれている。
李さんは、中国南部の貴州省出身。幼い頃は「中国で放送されている反日ドラマの影響で日本への印象は良くなかった」という。しかし、日本のアニメに興味を持ち、湖北大学外国語学院で日本語を専攻した。
受賞作品「幸せな現在」は、朝鮮戦争(一九五〇~五三年)に参戦し、砲弾の破片によるけがが残る祖父の追憶から始まる。戦場で苦労を重ねた祖父は「今の生活を大切にすべきだ」といつも口にし、平和の大切さを説いた。李さんは、作文で「日中間にもかつて戦争があった。そのせいか、両国民は先入観をもってお互いに悪いレッテルを張り合っている」と、過去の影に引きずられるのはやめようと呼びかけた。
来年は中国で大学院に進む。本当は日本に留学したかったが、領土をめぐる緊張のため、両親が日本行きに反対したためだ。帰国したら自分の目で見た日本の印象を話して、両親を説得するつもりだ。 (五味洋治)