歓迎会で記念写真を撮る中国からの大学生。岩楯嘉之撮影
「日本僑報」によると、7月22日、港区の東京プリンスホテルにおいて、中国日本友好協会政治交流部部長王占起氏を団長とする中国大学生訪日団第3陣31名の歓迎会が開催された。
歓迎会には日本側として公益財団法人日中友好会館江田五月会長、外務省アジア大洋州局下川眞樹太参事官、主催者日中友好会館武田勝年理事長、中国側中華人民共和国駐日本国大使館友好交流部孫永剛一等書記官他関係者多数が出席した。
日本側を代表して、江田会長は「今、日本と中国の関係は波が高い状況ではあるが、一衣帯水の隣同士、末永く仲良くする必要があり、とくに若い世代の人たちに仲の良い関係を引き継いでいかなければならない。」と話しかけた。外務省の下川参事官は「JENESYS2.0」の一環として来日した一行が訪問先の若い人たちと直接交流し、相互理解を深めることを期待すると歓迎の言葉を述べた。
次に、訪日団を代表して王占起団長は「今回の代表団は北京の7大学から選ばれ日本語スピーチコンテストに入賞した日本語専門の学生で、書籍やインターネットで日本の状況を勉強してきてはいるが、百聞は一見にしかずの言葉の通り自分の目で日本の先端技術、日本文化をよく見てほしい。中日両国の関係が好ましくない時でも、青少年交流は両国の未来にかかわる重要な交流であり、早く友好交流が再開することを望むとともに、それまでの間草の根レベルでの交流を推し進めていくことが大切である。」と感謝のことばと共に青少年交流推進の必要性を述べた。
訪日団の学生たちは王団長の言葉通り日本語通訳を必要としないほど日本語に堪能な学生たちで、会話はすべて日本語で交わすことができた。会場で出会った北京理工大学の海陽さんは、日本僑報社・日中交流研究所が主催する第8回中国人の日本語作文コンクールに応募したが残念ながら落選した。再度挑戦すると意気込みを話し、その後の日本側パフォーマンス、早稲田大学学生による浴衣の着付けのモデルとして舞台でゆかた姿を披露してくれた。
また、北京外国語大学大学院の姜柳さんは、日本人の友達から名前を日本語読みにするとキョウリュウ(恐竜)に通じるので、ショウリュウ(蒋柳)にしなさいとアドバイスされたこと、大森和夫先生が主催した作文コンクールに応募し、今でも自身のアドレス帳に大森先生のアドレスが残っていることなど流暢な日本語で話してくれた。
訪日団一行は7月21日の来日から7月28日帰国するまで東京、茨城、京都を訪問し筑波宇宙センターでは日本の最先端宇宙技術を視察し筑波大学の学生と交流を、京都では日本の世界遺産を見学し伝統文化を学習するなど訪問する各所で行われるグループ交流を通して日本に対する包括的理解の促進をはかる。
「JENESYS2.0」は日本政府が2007年から実施した「21世紀東アジア青少年大交流計画(JENESYS)」の後継事業で、2013年よりアジア大洋州諸国との間で3万人規模の青少年交流を行い、クールジャパンを含めた我が国の強みや魅力等の日本ブランド、日本的「価値」への国際理解の増進を目指す。(岩楯嘉之・NPO日中交流支援機構事務局長)