「中国研究月報」2014年1月号で、日本僑報社から出版された「
移行期における中国郷村政治の構造の変遷――岳村政治」と「
知られざる中国――知られているのに伝えられない」の二冊が同時に取り上げられている。
「中国研究月報」は一般社団法人中国研究所が発行している月刊誌で、近現代中国の社会、政治、経済、文学などに関する中国研究者の論文を掲載している。
「移行期における中国郷村政治の構造の変遷――岳村政治」は、中国社会科学院農村発展センター研究員、教授、社会問題研究センター主任の于建嶸(ユジエンロン)氏の博士論文を書籍化したもので、于氏が1年以上かけて中国の農村社会の実地調査を行い、その政治発展プロセスを実証的に明らかにしたもので、「現代化」の真髄に迫った内容となっている。本書について「中国研究月報」では、「中国農村に関する中国語の著作が、しかも本書のような大部にわたる学術書が邦訳されることは極めて異例と思われる」とし、内容について細かい検証を行っている。
また、「知られざる中国――知られているのに伝えられない」は、日中交流センター事務局長の杉本茂の編著で、日中交流センターの広報誌に掲載されていた中国で集団経営を実施している村との「友好交流の記録」をまとめたもので、中国で現在も共産主義を掲げ、実践している村が存在し、さらに全国組織を作って発展している例が掲載されている。本書について「中国研究月報」は、「中国の村の事情を知るためのデータとしても興味深い」と評し、本書に登場する発展中の村に共通点を見いだして分析している。
上記二冊の本は、全国の書店のほか日本僑報社のウェブサイトでも購入できる。
「移行期における中国郷村政治の構造の変遷――岳村政治」
http://duan.jp/item/119.html
「知られざる中国――知られているのに伝えられない」
http://duan.jp/item/129.html