日本僑報社は2月12日、東京都内で、中国書籍を10年にわたり翻訳した著名な翻訳家、麗澤大学の三潴正道教授(NPO法人日中翻訳活動推進協会「而立会」理事長)に感謝状を贈呈した。
三潴教授は2004年秋、日本に駐在する中国人記者夫妻が共同著作した中国語書籍を手にした。これが、三潴教授が組織する翻訳グループと、日本僑報社との協力関係のスタートになった。
以来10年、三潴教授とその翻訳グループは中国関係の書籍を計9冊、翻訳出版している。そのうち「人民日報」の記事に基づいて翻訳出版された『必読!今、中国が面白い』シリーズの作品は、日本のメディアや読者の好評を博している。昨年7月に東京で開催された「第2回日中出版界友好交流会」の席上、三潴教授は『必読!今、中国が面白い』シリーズを計7冊翻訳出版した経験を語り、両国の出版界と翻訳家たちの注目を集めた。「『人民日報』の記事も、現在の中国もとても面白い」と三潴教授は語った。
日本の読者に、体系的かつ全面的に改革開放後の中国を紹介するため、日本僑報社は三潴教授と共同で「人民日報」に掲載された興味深い記事の翻訳を計画。2007年から毎年1冊ずつ『必読!今、中国が面白い』を刊行している。この本は、前年度の中国における発展の実態に着目し、多角的で多方面、客観的で中立的な立場で、真実の中国の姿を世界に向けて紹介している。毎年、約40人の日本人翻訳者が「人民日報」の膨大な報道の中から、その1年間における中国の発展や変貌が最もよく反映された60本をピックアップし、その内容を15のジャンルに分けて日本語訳し、読者たちに紹介している。内容は豊かで正確であり、さらに写真も数多く掲載されている。日本の一般大衆や中国研究者らに、中国の最新情報を全面的かつ正確、スピーディーに理解してもらうルートを提供する1冊となっている。
『必読!今、中国が面白い』シリーズは、刊行される度にいずれも大きな反響を呼んだ。日本の主要メディアである「朝日新聞」、「毎日新聞」、NHKラジオなどが何度もこれを報道し、日本で大きな話題となった。特にNHKラジオでは昨年1、2月に三潴教授を招き、40分にわたるインタビュー番組の中で、本書のシリーズやその出版で会得したことなどについて詳しく紹介。番組は日本各地で大きな反響を呼び、本書を出版した日本僑報社は全国各地の人々からの注文書を受け取ったほどだ。
三潴正道教授は、東京外国語大学大学院を修了。その後長年、中国語教育に従事してきた。三潴教授はこう語る。「『人民日報』から記事を選んだのは、最初は中国語学習の教材を作るためでした。それは極めて正確な中国語だったからです。学習者たちが中国語を学ぶ動機の1つは、中国を理解すること。『人民日報』の報道は、中国語学習者たちが時代とともに中国を理解するのに役立ちます。かつての日本人は『人民日報』を通じて真実の中国が理解できるか、疑問を抱いていました。しかし私は中国語教育のために長年それを購読研究するうち、その中には数多くの優れた文章があることを発見したのです。それらの文章は日本の読者が真実の中国を理解するのに役立ちます。これが、私たちが『人民日報』の記事を翻訳し、まとめて出版することになった動機です。さまざまな視点を持つ日本人の皆さんに、本書を読んでいただきたい。客観的、科学的な見方が養えますし、日中関係を長期的に観察する上でもこれは不可欠なものだと思います」
三潴教授は、翻訳の実践者であるばかりでなく、翻訳の教育者でもある。2008年からは日本僑報社が創設した日中翻訳学院で中文日訳の上級者クラスを開設、100人を超える優秀な翻訳者たちを育成した。第8冊となる『必読!今、中国が面白い』は、すでに初稿が完成、今年6月に日本で出版される予定だ。