
4月7日、桜の花が散り始めたころのこと、日本僑報社に見覚えのない差出人からの1通の手紙が届いた。
宛名が大書きされた茶封筒を開くと、4枚にわたって青いボールペンでしっかりと清書された文字が目に入った。日本のある地方刑務所で服役する受刑者からの書簡だった。
それによると、ある原因によって服役中のその受刑者は「偶然の機会」を得て日本僑報社刊の『日本華僑・留学生運動史』
http://duan.jp/item/3500.html を読破した。
近現代における在日中国人の歴史や、彼らと関係する中国国内の重大事項などを知り、「(当時の)在日華僑や留学生は、多くの分野で国家のために貢献していた。かつて留学生だった私は刑務所に身を落とし、慙愧に堪えない」と率直な心境を書き綴っていた。
そして「最近、中日関係が悪化しており、中国人として未来の情勢について心配している」とした上で、中国語に接する機会が少ない中、中国語での情報収集のため日本僑報社の発行物をさらに読みたいと、切なる願いをしたためていたのだった。
同書は陳焜旺(日本華僑華人研究会)主編、2004年日本僑報社出版。近現代における在日華僑・留学生の運動史をまとめた680ページ余りにわたる大著。
※日本僑報社はこの方に数冊の新刊を贈呈し、励ましの手紙を送ることを決定した。