こんなにすばやく「沈痛悼念劉進慶先生特集」を出していただき、心から謝意を言いたいです。
深夜、帰宅して追悼の言葉を求める段さんのメールを読み、「特集」も読みました。
追悼の言葉を書くのが間に合わなかった私のために、私の提案を入れてくれたお心遣い、たいへんありがたく感じています。
劉先生との接触は、私個人としてはあまり多くはありませんでしたが、大先輩なのに、腰が低くまったく威張らないその人格に人間としての魅力を感じました。朝日新聞にもつ私の連載コラムをいつも丁寧に読んでくださり、お会いする時は感想を述べたり私を励ましたりしてくださいました。劉先生ご主催の座談会などに、私はスケジュールの原因であまり出席しませんでしたが、たまに顔を出すと、非常に喜んでくださいました。今考えると、もっと時間を調整して出るべきだったと後悔しています。
自らの死を意識して、一切私たちに知らせないように静かに死後の準備をしていらっしゃったことを知り、ショックを覚えたと同時に、さらに敬意を抱きました。劉先生のご遺志を忠実に守り、献花などを一切断ってきた劉先生の奥様にも心からお悔やみを申し上げると同時に、これまでたいへんな敬意を抱きました。
劉先生とはもう二度会えなくなりました。しかし、めがねの裏から優しい眼差しをこちらに向けて素敵な笑顔を見せながら、後輩である私の幼稚な発言にも静かに耳を傾けるそのお姿はいつまでも私のまぶたに浮かんでいます。
莫邦富