カタールのドーハで開かれたユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界遺産委員会はこのほど、新たに「シルクロード」の世界文化遺産登録を決めた。
シルクロードは2世紀ごろから形成されたとされる、中国特産の絹を西側へ運んだ交易路。
今回、登録されたのは、漢や唐の時代に都だった長安(現在の西安)や洛陽から天山回廊と呼ばれるルートを経て、中央アジアに至る計5000キロの遺跡群だ。
その中には、玄奘三蔵ゆかりの大雁塔や興教寺(いずれも西安)、高昌遺跡と交河城址、キジル千仏洞(いずれも新疆ウイグル自治区)など、計33の遺跡が含まれる。中国とキルギス、カザフスタンが共同で申請していた。
このシルクロードの「キジル千仏洞」世界遺産登録を記念した冊子『キジル千仏洞「世界遺産」おめでとう ありがとう』(ADC文化通信(仮))が6月27日に発行され、ご恵贈いただいた。
キジル千仏洞の歴史文化や保存活動にかかわる日本人と中国人が、それぞれ千仏洞への思いを寄せた冊子だが、筆者(段躍中)も「シルクロードは相互理解の道」と題した一文を寄稿している。
シルクロードの世界遺産登録を祝うとともに、新疆ウイグル自治区の歴史文化、とりわけキジル千仏洞の保存活動を続けてこられた小島康誉先生(元佛教大学客員教授)の長年の貢献に触れ、その上で日中相互理解を実践することの重要性を説いたものだ。
寄稿文でもご紹介したが、日中関係が難しい今のような時こそ「中国で国際貢献をし、相互理解促進を実践して、中国人から高く評価されている日本人がいることを知って欲しい」と昨年、弊社は『大きな愛に境界はない』を出版した。http://duan.jp/item/148.html
2011年、新疆ウイグル自治区政府が特別開催した「日本友人小島康誉先生 新疆来訪30周年記念活動」の一環で出版された『大愛無疆』(韓子勇主編)の日本語版(趙新利訳)である。中国人30人ほどが小島先生の活動を紹介している。
今回の冊子には、その中から小島先生とキジル千仏洞との縁について触れた、2人の名文も掲載させていただいた。
ここに改めて、冊子ご恵贈に感謝の意を表したい。また「キジル千仏洞」世界遺産登録に際し、小島先生の『大きな愛に境界はない』にも、ご注目いただければありがたく思う。