日本僑報社はこのほど、中国人民解放軍の元中佐で、著名ブロガーである李東雷(リー・トンレイ)氏の『
中日 対話か?対抗か? 日本の「軍国主義化」と中国の「対日外交」を斬る』を刊行した。8月1日から発売する。
「日本を軍国主義化する中国の政策は間違っている」などとして、客観的かつ公正な立場で中国の外交・教育を「失敗」と位置づけ、大きな議論を巻き起こした解放軍元中佐のブログ記事を書籍化したもの。
日本財団の笹川陽平会長も、この記事にいち早く注目。自身のブログに日本語訳を紹介すると各方面で話題となり、多くのアクセスを集めたという。本書では監修者として、推薦のことばを掲載している。
――日中の対立が深まる中、日本人には「中国の世論は反日一辺倒」との思い込みがあり、中国側も日本の世論を「反中一色」で捉えがちだ。しかし現実には中国にも多様な意見があることを示す一文として熟読させてもらった。(笹川氏)
今後の日中関係のあり方に多くの示唆を与えてくれる、中国オピニオンリーダーの大胆かつ斬新な本音を明らかにした注目の1冊だ。
【目次】
推薦のことば 笹川陽平
はじめに 中日は対抗から対話へと向かうべき
第一章 私が日本を知ったプロセス
第二章 なぜ今の日本を妖魔化するか?
第三章 なぜ中国の対日外交は失敗したと言うのか
第四章 日本への対応は大国の精神で
第五章 中国はどのようにして日本による侵略史を清算する機を逸したか
第六章 釣魚島 中日間に戦争なし
第七章 文明の力 箱根から京都まで
解説 等身大の相手を知る手がかりに 牧野田亨
【著者略歴】
李東雷(リー・トンレイ)
中国国防省の元中佐。解放軍外国語学院、イギリスのバーミンガム大学をそれぞれ卒業。外交学修士。1990年中国国防省に入省。長年にわたり、中国と東南アジア諸国連合(ASEAN)諸国との軍事交流、アジア太平洋地域多国間安全保障協力の事務を主管。2005年退役。ハンドルネーム「老兵東雷」で知られる中国の著名ブロガー。
【監修者】
笹川陽平(ささかわ・ようへい)日本財団会長
【解説】
牧野田亨(まきのだ・とおる)読売新聞北京特派員