日本僑報社9月22日の発表によると、中国人民政治協商会議全国委員会(全国政協)の元副主席で、中国企業連合会名誉会長、ボアオ・アジア・フォーラムの中国首席代表などを歴任した陳錦華氏の編著『中日関係大事総覧』(中国人民大学出版社)の日本語版が、日本僑報社から刊行される。10月中旬発売予定。
陳氏は1929年7月、安徽省生まれの85歳。98年より5年間、全国政協副主席を務めた。また99年より中国企業連合会会長(現在、名誉会長)として日中企業間対話を促進したほか、2001年以降はボアオ・アジア・フォーラムの中国首席代表を務め、アジアの経済交流の促進に貢献。2008年には「中国経済の発展はもちろん、日中経済関係発展の基礎を築いた」などとして、天皇陛下より「旭日大綬章」を授与された。
本書は、宝山製鉄所など鉄鋼・石油化学のプラント関係、円借款プロジェクト等にかかわり「日本と非常に深い縁を有している」と述懐する陳氏が、2000年余りにわたる中日関係史を年代記の形でまとめたもの。
目次は主に「二千年の友好往来と文化交流」「半世紀に及んだ侵略と反侵略」「新中国、新しい対日関係を創建」「中国改革開放後の中日関係の新たな一ページ」の4章からなり、膨大な数の史料にあたったという中日それぞれの重要関係史を列挙している。
本書は、2012年の中日国交正常化40周年を記念して中国で出版された。出版にあたり、北京で開かれた記念座談会で陳氏は「中日友好は歴史の潮流であり、いかなる勢力もこれを阻止できない。本書が中日友好関係を“奮い立たせ、呼び起こす”作用のスタートとなり、さらに両国の人々が中日友好協力の成功と経験を継承することを願っている」などと本書を世に問う期待を語った。
【目次】
第一章 二千年の友好往来と文化交流
第二章 半世紀に及んだ侵略と反侵略
第三章 新中国、新しい対日関係を創建
第四章 中国改革開放後の中日関係の新たな一ページ
【編者略歴】陳錦華 1929年7月、安徽省生まれ。北京電視大学を卒業後、紡績工業部、軽工業部で勤務。1970年代から80年代にかけて上海市副市長、中国石油化工総公司総経理などを務めた後、1990年代に入り、国家経済体制改革委員会及び国家計画委員会の主任(閣僚)を歴任。その後、1998年より5年間、全国政治協商会議副主席を務めた。1999年より中国企業連合会会長(現在、名誉会長)として、日本経団連との協力関係を構築し、日中企業間対話を促進してきた他、2001年以降は、ボアオ・アジア・フォーラムの中国首席代表を務め、アジアの経済交流の促進に貢献。2008年、中国からは3人目となる旭日大綬章の叙勲を受けた。
【訳者略歴】遠藤茂 1954年、横浜生まれ。北京、上海、大連など中国在住歴15年、中国問題研究家、翻訳、通訳経験多数。