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日本僑報電子週刊 第518号 2005年11月2日(水)発行
http://duan.jp 編集発行:段躍中(duan@duan.jp)
■段躍中日報 http://duan.exblog.jp/■
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■沈痛悼念劉進慶先生特集(3)■
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■目次■早稲田大学カワンスタント氏のメッセージ
埼玉工業大学巨東英氏のメッセージ
立命館大学陳延偉氏のメッセージ
趙軍日本華人教授会議事務局長の追悼文
山梨県立大学吉田均氏のメッセージ
共同社の配信記事「劉進慶氏死去 東京経済大名誉教授」
■編後■沈痛悼念劉進慶先生特集(3)を送り致します/段躍中
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■沈痛悼念劉進慶先生-25 早稲田大学カワンスタント氏のメッセージ
劉進慶先生ご逝去の訃報に悲痛を極めます。
いままで劉先生との個人的なお付き合いはありませんが、先生が在日
華人学者の大先輩として、中国経済、両岸関係及び華人社会の発展に多
大な貢献を与えたことを深く感銘しております。
ただ今出張中ですが、今回の偲ぶ会への出席を断念せざるを得ません。
劉進慶先生のご冥福をお祈り致します。
また、お悔やみの言葉をご家族にお伝えください。
早稲田大学 教授
カワン スタント
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■沈痛悼念劉進慶先生-26 埼玉工業大学巨東英氏のメッセージ
劉先生ご逝去の訃報に接し、心からお悔やみ申し上げます。
いままで劉先生との個人的なお付き合いはありませんが、
先生が在日華人学者の大先輩として、中国経済、両岸関係及び華人社会
の発展に多大な貢献を与えたことを深く感銘しております。
実にいま中国に出張中ですので、今回の偲ぶ会への出席を断念せざるを
得ません。
大変残念です。
劉進慶先生のご冥福をお祈り致します。
埼玉工業大学 巨東英
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■沈痛悼念劉進慶先生-27 立命館大学陳延偉氏のメッセージ
劉進慶先生のご逝去を謹んでお悔やみ申し上げます。
劉先生とは一度しかお会いしたことはありませんが、
その温厚の人柄と祖国に対する情熱に深く感銘をうけ
ました。心から先生のご冥福をお祈り申し上げます。
本日の偲ぶ会には所要で参加できませんが、ご家族の
皆様には哀悼の意をお伝えください。
立命館大学 陳延偉
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■沈痛悼念劉進慶先生-28 趙軍日本華人教授会議事務局長の追悼文
良き先輩、良き会員劉進慶教授を悼む
日本華人教授会議事務局長 趙軍
劉進慶教授は日本華人教授会議の良き先輩、良き会員である。
劉教授は1962年に「役所や一般企業より給与が倍も高く、社会的イメ
ージも良かった」銀行員の社会的地位を捨てて、学問への道を追求する
ために日本に留学し、神戸大学大学院の経済研究科に入った。すでに31
歳になった劉先生にとっては、恵まれた職業と家庭環境をあとにして、
未知の世界へシフトした人生の大きな転回となった。幸い、日本に来て
から、藤井茂、隅谷三喜男など素晴らしい恩師たちに恵まれ、現代経済
学の学問の殿堂(でんどう)入りを実り、東京大学大学院経済学研究科で
経済学修士と経済学博士号を取得し、世界にも知られている台湾現代経
済学者への道に乗り出した。1975年4月、劉先生は東京経済大学の助教
授に就任しまして、3年後の1978年4月また同大学の教授に昇任し、以来、
同大学において、先生は入試委員長、経済学部長、大学法人理事、大学
院経済学研究科委員長、国際交流委員長、電算室長、学内諸制度整備委
員長、大学法人評議員、大学学費のあり方検討委員長、経済学部FD委
員会座長、図書館長、経済学部改革委員長、同大学創立100周年記念展示
行事実行委員長、経済学部国際経済学科設置準備委員長、名誉教授、な
どを歴任して、東京経済大学の発展に様々な角度から御盡力された。同
時に、劉先生は日中間の学問的交流事業にも力を注ぎ、中国対外経済貿
易大学・北京大学経済学院など大学の客員教授をも担当してきた。学問
への探求心、教育と研究活動への情熱、教師という職業への「敬業精神」
などすべての面において、我々の良い先輩であり、素晴らしい手本でも
あった。
2003年1月、「日本華僑・華人教授、学者の学際的交流と相互間の親
睦」「日本における華僑・華人のイメージアップとその社会的地位の向
上および正当な権利の擁護」「広範な学術交流を通じて、中国の発展に
貢献するとともに、海峡両岸の相互理解促進と最終統一実現の為に尽力
する」などを図るため、日本の各大学に勤めている専任教員や他の分野
でそれぞれの業績を挙げた研究者、文化人らは「日本華人教授会議」の
設立を練り始め、劉先生もその初期メンバーの一人として会の設立に積
極的に関わり、会の趣旨の策定、会則の検討、初期会員・初期幹事会メ
ンバーの推薦などさまざまな角度から大変有益な意見を貢献なされた。
特に指摘すべきことは、劉先生はご自身の参加だけではなく、陳仁端・
謝世輝など台湾出身の優秀な先輩教授たちにも入会を求め、日本華人教
授会議を海峡両岸の「老・中・青」教授・研究者・文化人を網羅する会
として発足させることができた。
日本華人教授会議の設立後、劉先生は研究活動の傍ら、会の活動にい
つも積極的に参加し、監査としての責任をきちんと果たしていた上、年
齢や資格などご自身よりはるかに浅い幹事会や一般会員たちの動議と活
動を全力でバックアップし、豊富な智恵と人生の経験を動員して、会の
活動の活発化に中心的な役割を果たしてきた。また、劉先生は日本華人
教授会議においてはもちろんのこと、在日華人の中でも大先輩的な存在
であるにもかかわらず、いつも謙虚な姿勢で私たちと接していただき、
幹事会と一般会員のみなさんの意見に対しても寛容な態度で尊重してい
ただいた。それと同時に、会の三回にわたるこくさいシンポジウム開催
の際、劉先生は積極的にリーダーシップを取り、開催方針からプログラ
ムの設定まで細かく検討なされ、適切なアドバイスを提示し、シンポジ
ウムの成功に大きく貢献した。ほかには、日本華人教授会議の中国政治
経済研究委員会、中日関係研究委員会などの学術活動、忘年会・合宿な
どの親睦活動に対して、劉先生も時間がある限り積極的にご参加し、一
般会員のみなさんに良い手本を示してくれた。劉先生はまさに、良き先
輩、良きメンバーであり、劉先生のご逝去は、日本華人教授会議にとっ
ては大きな損失であり、誠に痛惜に絶えない。今後我々は必ず劉先生の
ご遺志を継いで、日本華人教授会議のさらなる発展に全力を尽くしたい
と思っている。ここに謹んで哀悼の意を表すると共に、劉先生のご冥福
をお祈り申し上げます。
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■沈痛悼念劉進慶先生-29 山梨県立大学吉田均氏のメッセージ
10月29日、東京経済大学で「劉進慶先生を偲ぶ華人華僑の会」が開催さ
れた。私は、華人でも華僑でもないが、お願いして参列させていただい
た。同会は、劉先生の生前を偲ばせるかのように、形式にとらわれず、
話したい者が次々にマイクに向かい、先生との思い出を語り続ける、肩
肘の張らない、しかし一人一人の情と悲しみの深さが伝わる、実にいい
お別れ会であった。同会の最中、私は涙があふれるのを留めることがで
きなかった。先生の訃報に接してから、極力先生のことは考えないよう
にしてきた。しかし先生に縁故のある華人華僑の方々が、できる限り明
るく先生の業績を称え、思い出を語るのを聞き、抗し難く不様にも涙が
とまらなくなった。
しかし今もって実感できないことがある。それは劉先生がいないという
事実である。先生は、最後の病床では多くの方々のお見舞いをお断りに
なり、私もお会いできなかった。したがって衰弱したご様子を見ていな
いため、遺影を見ても、先生のお元気な様子しか思い出せない。いない
ということが理解できても、実感できない。きっと私たちが老衰し記憶
が薄らぐまで、先生は私たちの心の中で、いつものように微笑み、やさ
しい口調で励まし続けてくださるおつもりだったのだろう。今では、そ
れが理由であったような気がする。
これからは私も悲しまず、先生の遺志に従い、心の中の先生に語りかけ
よう。劉先生に教わったという誇りを胸に、少しでも公のために何かで
きるよう、話しかけ続けたいと思う。
御遺族のお話では、劉先生の遺骨は、台湾の郷里を流れる小川に散骨さ
れるという。25年前に講義で初めてお会いした日から、思い出となった
現在至るまで、本当に美しい人であった。
山梨県立大学
吉田均
2005年10月31日24:20
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■共同社の配信記事「劉進慶氏死去 東京経済大名誉教授」
劉進慶氏(りゅう・しんけい=東京経済大名誉教授、台湾経済学、日
本名中山進慶=なかやま・しんけい)23日午前3時26分、骨髄異形
成症候群のため東京都立川市の病院で死去、74歳。台湾生まれ。葬儀
・告別式は親族で済ませた。喪主は妻智恵(ちえ)さん。
台湾経済を体系的に研究した第一人者で、日本と台湾、中国の橋渡し
役を務めた。(共同通信社)
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■編後■沈痛悼念劉進慶先生特集(3)を送り致します/段躍中
尊敬する劉進慶先生が逝去されてから僅か一週間の間に、日本各地、中
国国内、アメリカ滞在中の学者から、沢山の追悼メッセージを寄せて頂
きました、三回に分けて特集を配信しました。読んでくださった読者か
ら評価するメールも頂きました、ありがとうございます。
劉進慶先生の笑顔は永遠的に見えなくなりますが、先生の精神は永遠的
に私たちの心の中に生きていると思います。
段躍中@2005.11.2夜8時半
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日中関係・華僑華人情報専門誌・毎週水曜日発行 編集発行:段躍中
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