
12月12日付けの朝日新聞デジタル版より特別転載。報道、ありがとうございます。全文はここですhttp://digital.asahi.com/articles/ASGDD4470GDDUHBI010.html
10回目を迎えた「中国人の日本語作文コンクール」(日本僑報社主催、朝日新聞など協賛)の表彰式とスピーチ大会が12日、北京の日本大使館で開かれた。日中関係の緊張が続く中でも過去最高の4千を超える応募があり、国境をまたいだ心の交流を描いた数々の受賞作が発表された。
中国で日本語を学ぶ学生を対象に2005年に始まったコンクール。節目の10回を迎えた今回は、日本のアニメ・漫画・ゲーム(ACG)との関わりを書く「ACGと私」、市民としての振る舞いについて考える「公共マナーと中国人」がテーマ。
最優秀賞に選ばれた東華大学(上海)の姚儷瑾(ヤオリーチン)さんは、14歳の時にアニメ『機動戦士ガンダムSEED』を見てから戦争の意味を考え続けてきた。スピーチではアニメなど文化を通した交流に日中双方の「誤解を解く力が秘められている」と訴え、「小さな努力を続けることできっと日中関係は良くなる」と力強く語った。
作品が募集されたのは尖閣諸島や歴史問題を巡る両国の緊張が続いていた5月だったが、過去最高の4133件の応募があった。木寺昌人大使は表彰式で「安定した日中関係に大切なのは、若い世代が様々な形で交流し感動を共有することだ」と述べた。
日本僑報社は受賞作計61本を作文集「『御宅(オタク)』と呼ばれても」として出版。詳細は、同社のサイト(http://duan.jp/jp/)まで。(北京=林望)