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日本僑報電子週刊 第521号 2005年11月9日(水)発行
http://duan.jp 編集発行:段躍中(duan@duan.jp)
■段躍中日報 http://duan.exblog.jp/■
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■『続 新中国に貢献した日本人たち』刊行特集■
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■目次■
内容紹介http://duan.jp/item/021.html
登場人物一覧http://duan.jp/item/021.html
推薦のことば-1 草の根の交流こそ/故元副総理・後藤田正晴
推薦のことば-2 いま掘り起こす感動的な中日戦後史
本書の目次
日本の読者の皆様へ/編集委員会顧問 劉徳有
編集委員会名簿
訳者後書き/武吉次朗
書誌データと注文方法http://duan.jp/item/021.html
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【内容紹介】
本書は中国中日関係史学会編纂の『友誼鋳春秋』第二巻(新華出版社・
2005年9月刊)の日本語訳である。ちなみに第一巻の中国語版は2002年、
日本語訳は2003年に、それぞれ刊行された。
本書は前著と同様に、戦後中国に残って働いた日本人の事績を、中国
側が取材、編纂したものである。収録された42篇に登場する100人以上の
職業はさまざまだが、仕事に打ち込む中で中国の人々と友情を育み、信
頼関係を築いた経緯が克明に述べられており、感動を呼ぶ。
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【登場人物一覧】
丸沢常哉 麦倉元 南谷正直 持永只仁 菅沼不二男 浜高家三次 久
保賢治 松原勲 戸井田三郎酒井重作 東北非鉄金属管理局の日本人た
ち 村井良一氏 兵頭義清 森川和代 唐木田俊介 東北第一製紙工場
の日本人技術者たち 中国医大教材科の日本人たち 服部保一 尾野達
男 安武龍太郎「回想四野会」 金丸千尋 花薗昭雄氏と第四七軍の日
本人たち 浜岡礼蔵 池田亮一 大巾博幸 堀込松平 野田明 永野治
己 本田繁 本田恭子 井上新一郎 中村良一 曾田武 曾田志伊 長
谷川忠雄 中村京子 宮田忠明 今村匡平 戎家実 工藤(清水)章子
高橋徳子 小田切袈裟志 玉利福男 玉利澄子 藤田功 佐藤康行 蔵
屋秀二 井上猛 年森義幸 新田医師 恒吉甫(敬称略・目次順)
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【推薦のことば-1】草の根の交流こそ
この『新中国に貢献した日本人たち』の続編に登場する人々は、戦争
で破壊された日中両国の友好を、自ら汗と血で修復して、今日の礎を築
かれた。両国関係が厳しい状況にあるとき、地道な草の根交流という原
点に立ち返るよう、本書の人々は呼びかけている。
故元副総理・後藤田正晴
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【推薦のことば-2】いま掘り起こす感動的な中日戦後史
侵略戦争を起こした「一握りの軍国主義者」と日本の一般民衆とは違
うのだと言うことを、この人たちは身をもって示してくれ、中日両国人
民が問題の本質を正しく捉えるうえで、大いに役立つものと思われる。
読者の心を揺さぶるゆえんである。
中国中日関係史学会名誉会長・劉徳有
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【本書の目次】
劉徳有 日本の読者の皆様へ
編集委員会 序
湯重南 中国化学工業への献身――丸沢常哉博士
高海寛 爆撃下で敢行した手術――麦倉元医師
高海寛 天水―蘭州鉄道の建設者――天水会会長・南谷正直氏
丁 民 新中国アニメの生みの親――持永只仁氏
劉徳有 わが人生に悔いなし――菅沼不二男氏
朱福来 幾山河越えさりゆかば――浜高家三次、久保賢治、松原勲 三医博
王慶英 解放軍軍医出身の厚生大臣――戸井田三郎氏
張旺棟 放送局技術者の奮闘――酒井重作氏
朱福来 東北非鉄金属管理局の日本人たち
張旺棟 第三八軍の功労者――村井良一氏
呉学文 中国の戦友と歩む大いなる道――兵頭義清氏
王効賢 中日友好の種子として――森川和代さん
朱福来 偵察英雄の部隊で――唐木田俊介氏
兪宜国 増産と技術伝授に打ち込む――東北第一製紙工場の日本人技術者たち
馮昭奎 関立柚 謄写版印刷に技術革新――中国医大教材科の日本人たち
丁 民 朱福来 一六ミリ映写機を作った三人の日本人――服部、尾野、安武氏
張旺棟 第四野戦軍にいた日本人たち――「回想四野会」
丁 民 すべてを日中友好事業に――金丸千尋氏
劉智剛 花薗昭雄氏と第四七軍の日本人たち
孫東民 中国鉄道建設に燃やした青春――浜岡礼蔵氏
劉徳有 『人民中国』誌に刻まれた事績――池田亮一氏
馮昭奎 「勇士よ、いざ歩哨に立たん」――大巾博幸氏と堀込松平氏
兪宜国 ある解放軍兵士の体験談――野田明氏
王泰平 中国への熱き想い――永野治己氏、本田夫妻、井上新一郎氏
黄 幸 全国労働模範チームの一員――中村良一氏
兪宜国 鶴崗炭鉱での歳月を語る――曽田夫妻
関立丹彡 戦車の少年整備兵――長谷川忠雄氏
高海寛 ドイツ人の夫と中国に生きる――中村京子さん
馮昭奎 女性飛行士を育てる――宮田忠明氏
徐啓新 保健衛生と防疫の功労者――今村匡平医師
劉徳有 多才な翻訳の名手――戎家実氏
丁 民 体得した「人民への奉仕」――工藤(清水)章子さん
張旺棟 友情よ、いつまでも――高橋徳子さん
呂小慶 歩いた一万五千キロの奇跡――小田切袈裟志氏
丁 民 鉄道建設の現場で活躍――玉利夫妻
朱福来 被服工場の日本人のまとめ役――藤田功氏
関立丹彡 後方病院の思い出――佐藤康行氏
馮昭奎 高射砲隊の運転手――蔵屋秀二氏
朱福来 航空学校の機体整備士――井上猛氏
関立丹彡 鉄道車両工場の係長――年森義幸氏
葉 綺 信頼は国境を越えて――新田医師
朱福来 「私の宝物です」――恒吉甫氏
用語の解説
訳者あとがき
編者紹介・訳者略歴
編集委員会名簿
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日本の読者の皆様へ/編集委員会顧問 劉 徳 有
このシリーズはもともと中国の読者を念頭に置いて中国語で書かれたも
のであり、その第一巻が日本語に翻訳されて出版されるとき、本来なら
ば日本の読者の皆様への言葉としてご挨拶を入れるべきであった。しか
し、刷り上ってそのことに気がつき、遅ればせながら、第二巻の日本語
版出版の際にこの願いがやっとかなえられ、喜びにたえない。
本シリーズを最初に企画したのは一九九九年末で、実際に取材に入った
のは二○○一年の三月であった。取材の対象は一九四五年八月日本の敗
戦を境に、中国人民の解放戦争とそれにつづく新中国の建設に青春をさ
さげた日本人たちで、インタビューを受けたときには多くの人が齢すで
に古希に達していたか、もしくは傘寿を迎えており、中には本になるの
を待たずして幽明界を異にされた方も少なからずいた。言うまでもなく、
インタビュー実施のまえにも多くの方がすでに他界されていた。せめて
実施がもう二十年、いや、もう十年早ければ、もっと充実した取材がで
きたのにと悔やまれてならない。
このように私どもの行動が遅きに失したにもかかわらず、新中国に貢献
した日本人たちを取材し、記録に留めることができて、ほんとうによか
ったと思っている。インタビューを受けた当事者の方々からは、「半世
紀以上たつのに、中国は私たちのことを忘れず、評価してくれている。
ありがたいし、感激した」。
「青春時代に新中国建設の事業に協力したことを誇りに思っている。中
国のことは一日たりとも忘れたことはない」。
「父や母である私たちが、若いとき中国で何をしていたかを子供たちに
伝えたいので、本を購入したい」。
といったような声が寄せられた。このほかに、
「留用日本人の全体像を知り得る立場にあった人たちの多くが他界し、
あるいは高齢のため記憶が薄れて、俯瞰的視点での状況紹介が困難だっ
たり、取材対象者の選定が困難だった」。「もし、最も大きく貢献した
人々に直接取材できていたら、もっと生々しく、感動的な記録を残すこ
とができたろう」。また、「同様のことが中国側についても言えよう。
たとえば趙安博先生が健在なら、もっと全面的な状況が把握でき、もっ
と多くの史実が発掘できたに違いなく、惜しまれてならない」という声
も聞かれた。
このようなわけで、本書の取材に当たってはすでに出版されている本や
記録に頼って執筆した文章もあれば、当時の状況や事情をあまり知らな
い若い取材者が、日本人の心情を充分理解していないため、対象者への
質問が表面的なことにとどまり、記述も深みに欠ける文章もあったこと
を反省している。たとえば、当時中国に留用された日本人は、「当然の
ことながら、疑惑、反発など、心の葛藤がいろいろあった筈だし、認識
の転換にも反復の過程があっただろう。それが描かれておれば、もっと
読者の共感を呼んだと思う」というご指摘があったが、正鵠を得たご意
見である。
この本は中国中日関係史学会が企画し編纂したものだが、いろいろな意
味で中日双方の共同作業として完結されたということがひとつの大きな
特徴となっている。日本の各友好団体や多くの個人からご支持、ご援助、
ご助言をいただいたことは言うに及ばず、取材対象者の選定や連絡、は
ては旅行先のご案内にいたるまで、いろいろと具体的なご協力を得たこ
とを心から感謝している。
さらに、もうひとつ重要な面でご協力を得た。それは日本語への翻訳で
あった。もし武吉次朗氏はじめ協力者の方々が翻訳の労をおとりになら
なかったなら、この本は日本の読者の皆様の目に触れることはなかった
であろう。武吉氏ご自身、新中国の誕生とその建設のために青春をささ
げられた経験者であり、また長年翻訳と通訳に携わってこられたこの道
のベテランである。したがって、このお仕事をお引き受けくださった氏
は最適任者であった。翻訳に当たって氏は「忠実」をモットーに、しか
も引用文や地名、解放軍の部隊の番号などをお手元の資料で綿密にチェ
ックされ、申し分のない訳文をつくりあげられた。氏の強い責任感と真
剣な取り組みにはほんとうに頭の下がる思いがした。
今年は中国にとって抗日戦争勝利六十周年にあたる記念すべき年であり、
日本軍国主義が敗北した六十周年にあたるが、この年に第二巻が出版さ
れたのには、格別な意義があろう。
第二巻は第一巻と同じく、日本の敗戦後、あの忌まわしい過去ときっぱ
り別れを告げ、新中国の誕生と建設に自らの人生をかけ、血と汗を流し、
中国人民と苦楽をともにする中で友情を育み、信頼関係を築き上げた残
留日本人たちの感動的な事跡と史実が扱われているが、侵略戦争を起こ
した「一握りの日本軍国主義者」と日本の一般民衆とは違うのだという
ことを、この人たちが身をもって示してくれたことにより、中国の読者
にとっても問題の本質を正しく捉えるうえで大いに役立った。
正直言って、日本の敗戦後、中国人も感情の切り替えが必要であった。
私事にわたって恐縮だが、かつて植民地の大連で日本語を勉強させられ
た私は、もう二度と日本語を使うまいと心に決めたくらい、あの痛まし
い過去を思い出したくはなかった。
その感情を最初にほぐしてくれたのは、毛沢東主席と周恩来総理だった。
戦後まもないころ、中日間の往来にはさまざまな疑念がつきまとい、そ
のため、長いあいだ民族間に存在していた相互不信感を取り除かなけれ
ばならなかった。中国側から言えば、身内の者が殺されたり、家を焼き
払われた一般大衆は、過去の日本侵略者の行為に反感を抱き、日本との
友好に納得がいかない状態にあった。
しかし、毛主席と周総理は早くから、中国の民衆に対し、広範な日本人
民と一握りの軍国主義者を厳格に区別するよう、繰り返し忍耐強く教育
した。
今でも覚えているが、一九五六年、北京で日本商品見本市が開かれた際、
「日の丸」の掲揚が大問題となった。中国の民衆は、「日の丸を見ると、
日本兵がおらが村を襲って来るのを思い出す」といって、どうしても受
け付けなかった。
予期せぬ出来事を案じた周総理は、関係者に、
「中日両国人民はともに日本軍国主義が発動した侵略戦争の被害者であ
り、日本人民には責任がない。日本人民は中国人民と仲良くしたいと望
んでいる。今状況は変わり、中国も日本ももはや過去の中国や日本では
なく、新しい基礎の上にあらためて両国の友好関係を図らなければなら
ない。それを大衆にきちんと説明するように」
と、諄々と言い聞かせ、商品見本市を成功へと導いた。
一方、日本側は日本側で、当時多くの人がまだ新中国の実情と内外政策
をよく理解できない状態にあった。これに対し、毛主席と周総理はじめ
中国の指導者たちは、訪中の日本代表団に会い、きめこまかい説明を行
った。特に周総理は、多くの日本の友人と深夜まで膝を交えて語り合う
ことがしばしばであった。仕事の関係で、その中に身を置くことができ
たのは、私にとってこの上ない幸せだった。
このところ一部ではあるが、「中国は日本に対し、くりかえし謝罪を求
めているではないか」という不満の声があるように聞いている。そのこ
とで思い出すのは、一九六○年の安保闘争のあと、野間宏氏を団長とす
る文学者代表団が中国を訪れ、陳毅副総理と会見した(通訳は筆者)と
きのことである。陳氏は安保闘争を評して、「日本人民を見直した」と
言い、またかつての日本の中国侵略に触れて「過ぎ去ったことは過ぎ去
ったことにしよう」と述べると、野間氏は「日本人としては忘れること
は出来ません」と答えた。それを聞いて、陳氏はハタと膝を打ち「その
通り。日本人が忘れないと言い、中国人が過ぎたことは過ぎたことにし
よう、と言ってはじめて真の友情が生まれるのだ」と語った当時の情景
が忘れられない。これこそが「前事不忘、後事之師」(前事を忘れず、
後事の師とす)であろう。
「前事不忘、後事之師」は、「以史為鑑、面向未来」(歴史を鑑とし、
未来を志向する)の精神とまったく一致している。
「前事」とは、つまり歴史であり、歴史は、言ってみれば鑑である。中
日間の歴史を云々するとき、つぎの三つの特殊な段階を正しく把握する
ことが大切であるように思われる。一つは、最近西安で発見された唐代
の日本人留学生の墓誌銘に象徴される二千年の長きにわたる友好交流の
歴史であり、いま一つは、日本軍国主義者による中国侵略の歴史である
。三つ目は、戦後六十年近くの間、この本に登場する主人公も含めて両
国の人民大衆と有識者が中日関係の発展のために奮闘努力しつづけてき
た歴史である。「歴史を鑑にする」という場合、当然この三つの段階を
指すべきであろう。
第二段階の不幸な歴史は、第一段階の友好の歴史に比べて短期間ではあ
ったが、両国人民にもたらした災難は大きく、中国をはじめアジア諸国
の人々の心に残した深い傷痕は決して抹消できるものではないし、風化
されていい問題でもない。一口に言って、常に正しい歴史認識を持つこ
とが必要であろう。
今後の中日関係を考えるうえで一番大事なのは、原点に立ち返ることで
あろう。
原点とは、中日共同声明、中日平和友好条約、中日共同宣言に決められ
た諸原則と精神であり、両国関係を律する政治的基礎となるこの三つの
基本文献は、ともに順守されるべきである。
アジアの二つの重要な国としての中国と日本が、東アジア地域の協力と
経済発展を促すうえで大きな役割を果たすことが望まれている以上、責
任感を感じ、チャンスを逃さないよう努めることが必要であろう。アジ
アの大国としての中日両国の友好協力は、アジアの平和と発展、ひいて
は世界の平和にとってきわめて重要であることは言うまでもないが、両
国は共生とともに、共同発展、共同繁栄を図り、二十一世紀のアジアの
ためにもっと「共同貢献」していく道を積極的に模索し、実行に移して
いかねばならないと思う。
私の見るところでは、中国政府の対日政策は一貫しており、変わってい
ない。世世代代にわたって友好的につきあうという方針には何ら変化は
ない。二十一世紀に入った今日、「平和と発展のための友好協力パート
ナーシップ」を構築することこそ、両国人民の目指すべき目標であると
思う。中日両国に必要なのは言うまでもなく友好、協力、平和であって、
対立、反目、敵対ではない。
世界の未来を展望するとき、長い目で見た中日関係にはもちろん楽観は
しているが、さいきん両国の間に目立っている摩擦が気にかかる。二、
三十年前と違って、すでに大きな変化を来たした中日双方の力関係に日
本の一部がすぐに適応できない心情のあることと関連しているのではな
いかとも思われるが、これは一種の過渡期の現象として避けられないの
かも知れない。お互いに偏見をなくし、狭い民族主義に走らず、原則と
国益の堅持を前提に信頼感と相互理解の増進を図るなど、双方の努力が
期待されている。
改革開放を推し進める現在の中国にとって必要なのは、ほかでもなく自
国の社会安定と周辺の平和と安寧であり、したがって中国は今後とも平
和外交政策をとりつづけ、世界平和を追求していくであろう。このとこ
ろ、お隣の日本から「この道はいつか来た道」を思い起こさせるような
動きを心配する声がしきりに聞こえてくるが、日本が戦後歩んできた平
和発展の道を今後も歩みつづけるよう切に望んでやまない。
第二巻の日本語版出版に際し、ここに所感の一端を述べ、読者の皆様に
編集委員会の意のあるところをお汲み取りいただければ幸いである。
二○○五年八月 北京にて
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編集委員会名簿
顧 問 劉徳有
編 集 長 呉学文
副編集長 丁 民 朱福来
委 員(苗字の筆画順)
丁 民 朱福来 呉学文 孫東民 高海寛 張旺棟 張雲
方 馮昭奎 湯重南 劉智剛
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訳者後書き/武吉次朗
本書の中国語版は、『友誼鋳春秋』第二巻として、二○○五年八月に北
京で出版された。ちなみに第一巻は二○○二年に刊行され、その訳書は
『新中国に貢献した日本人たち』と題して二○○三年に出版されている。
本書は前書同様、戦後中国に残り働いた日本人の事績を記録したものだ
が、前書よりさらに幅広い階層と職業の人々が取り上げられているので、
より多くの方に読んでいただきたいし、親しみを感じていただけると思
う。
翻訳しながら往時を振りかえるとき、感慨を禁じえない。中国革命と建
設の高揚期に、そのため献身する中国の幹部や庶民と苦楽を共にする中
で、日本人の中からも無名の英雄が輩出した。運命に翻弄されるのでは
なく、新しい歴史を創る生きがいに燃えていた。そのひたむきで壮絶な
生き様を読み取っていただければ幸甚である。
本書のため、編集委員会顧問の劉徳有氏が「日本の読者の皆様へ」を日
本語で書き下ろされた。ご自身の体験に即して中日友好を諄々と説かれ
ており、巻頭を飾るにふさわしい力作を頂戴できたことは光栄であり、
望外の喜びである。
また、本書にしばしば引用される中国独特の用語について、訳者として
巻末に解説を付し、読者のご参考に供することとした。
本書の下訳には、石田英司、遠藤利朗、坂戸千秋、谷垣道代、松永協子、
安木文雄の各氏が参加された。厚くお礼申し上げる。
前書は中国語版の出版後に翻訳作業を開始したので、訳書の刊行が一年
後になったが、今回は中国語原稿の段階から、ほとんど同時並行で翻訳
に取り掛かった。またその原稿をそれぞれの当事者、あるいは関係者に
見ていただき、事実関係や固有名詞のチェックをお願いした。いずれも
前書の経験に基づき改善した点であるが、お手数をおかけした関係者の
皆様、そして本書刊行のため種々ご協力いただいた皆様に、深く感謝す
るしだいである。
最後になったが、前書および本書に推薦の言葉をいただいた後藤田正晴
・元副総理が、九月一九日逝去された。本書の推薦の言葉が絶筆になっ
たわけである。ここに遺徳を偲びつつ、ご冥福をお祈りする。
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書誌データと注文方法
書名 『続・新中国に貢献した日本人たち』
編者 中国中日関係史学会
訳者 武吉次朗
発行 日本僑報社
判型 A5版510頁並製
定価 2900円+税
発売 2005.11.11
注文 171-0021東京都豊島区西池袋3-17-15日本僑報社
TEL 03-5956-2808 FAX 03-5956-2809
インターネット注文先 http://duan.jp/item/021.html
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日中関係・華僑華人情報専門誌・毎週水曜日発行 編集発行:段躍中
1998年8月創刊・無断転載禁止。
著作権は日本僑報社またはその情報提供者に帰属します。
情報のご提供と問い合わせはduan@duan.jpへどうぞ
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