
第4回中日出版界友好交流会のご挨拶
中国出版代表団顧問 李潞
2015年7月2日
東京はアジア最大の国際化大都市です。本日は一年に一度の東京ブックフェアが開催されていますが、この賑やかなビジネス街に膨よかな書籍の香りを添えています。今回このように東京ブックフェアに参加でき、皆様とこの場でお会いでき、中日関係の専門家や、中日出版界の専門家、そして学者の皆様方の「中日出版界の交流と両国関係改善への役割」というテーマについて語られる本物の知識と透徹した見解を拝聴することができて大変嬉しく存じます。ここに、中国国家新聞出版広電総局並びに中国出版代表団を代表し、皆様のご来場に心より感謝申し上げます。
中国及び日本はアジア最大の発展途上国・先進国であり、また一衣帯水の友好的な隣国でもあります。今日、世界経済一体化という背景の下、経済・文化・社会等各方面における日中両国の交流と協力を一層強化することは、アジアひいては世界の平和と発展を推し進めるうえで重要な意義を有しています。
中国では昔から「国交は民間交流のうえに成り立ち、民間交流はお互いの心が通じ合うことのうえに成り立つ」と言います。出版物は文化の成果が書き記され、伝え広められ、蓄積され、受け継がれた知識や情報の伝達手段であり、さらには人と人との間の意思疎通を深める架け橋でもあります。こうした意味において、日中両国における出版の交流と協力を強化することは、つまり両国民のさらに厚い友情の架け橋を絶え間なく、そしてしっかりと打ち建てることであり、これは両国民の相互理解と互いの信頼を強化することに対する、何をもってしても替えることのできない重要な働きなのです。
中国は出版大国です。かつて中国人が発明した紙の製造技術と印刷技術は世界の文明発展の過程に、とりわけ出版業界の発展に大きな影響を与えてきました。現在、中国では毎年40万種余りの書籍、1900余りの新聞、そして9000余りの定期刊行物が出版されており、書籍の年間出版数は世界一、日刊新聞の発行部数も世界一、電子出版物の総数は世界で二番目です。中国はさらに世界最大のネットワーク購読者層を有し「中国移動閲読基地」だけでも一日のクリック数は6億回を超えています。中国では法律方面が充実しており、版権保護体制も完備されています。
中国は国際的な出版の交流と協力を特別に重視しています。中国の出版機関は単独投資、共同出資、資本参加等の方法により日本に出版社や定期刊行物の発行社等を設立いたしました。2009年の頭に科学出版社東京株式会社を立ち上げました。中国外文出版発行事業局は日本で雑誌『人民中国』を出版し、中国新聞社は日本語版『中国新聞周刊』を出版すると同時に、さらに日本東方国際株式会社と共同出資し日本文化伝媒会社を設立いたしました。時期を同じくして日本の小学館、講談社、白楊社、KADOKAWAグループ、凸版印刷株式会社など著名な出版・印刷会社はみな中国に資本組織を設立しました。2013年の日中出版物版権取引量は2144種に達し、これは中国で4番目の大型版権貿易パートナーであり、日本で出版された最新書籍が同時に中国の市場で売り出されるのです。また、日本は中国出版物の輸出における最大国外市場の一つでもあり、毎年多くの書籍・新聞・雑誌そして電子出版物が書店や図書館を経て日本の学者や一般読者の手に届いています。これは日中両国の出版発行業界が共同して努力した成果であり、また両国がそれぞれの分野において交流と協力を将来さらに進めるために築き上げた堅固な礎なのです。
今回の東京ブックフェアに参加するため、19の中国の出版団体が約500種の新書を携え海を越えてやって参りました。私たちは交流のため、そして協力のために来日したのです。ブックフェア開催期間中、私たちはさらにたくさんの文化的イベントを開催します。どうか皆様奮ってご参加下さい。
ご来場の皆様方、貿易という基礎の上に実現した文化提携はさらに効果を発揮し、書籍をベースとした文化交流の影響力は今後ますます勢いを増すでしょう。私たちはさらに多くの出版関係者及び各界の有識者の皆様のご支援の下、より多くの中国書籍が日本の読者の皆様方の目に触れ、立体的かつ真実の中国をさらにご理解くださることを切に願ってやみません。 また、両国の出版業界における交流がより密接になり、協力関係はさらに深まり、日中両国民の友情が永遠に続くことを願っております。(日中翻訳学院・中西真 訳)