○ 今号のメルマガは、12月に刊行される第11回「中国人の日本語作文コンクール」受賞作品集『なんでそうなるの? 中国の若者は日本のココが理解できない』(日本僑報社刊)の特集です。
http://duan.jp/item/208.html
今回のコンクールの最優秀賞(日本大使賞)は、山東政法学院3年の張晨雨(ちょう・しんう)さんの作品「なんでそうなるの? 好きやねん、大阪」に決まりました。大阪に住む叔母さんを通して大阪の不思議な魅力に引かれ、いつか自分の目で本物の大阪を見たいという若者らしいフレッシュな思いにあふれた作品です(下記参照)。
張さんの作品からもわかるように、受賞作品集には、中国のリアルな若者事情や彼らの日ごろの努力の姿がたいへん色濃く描かれています。普段なかなか知りえない中国の若者たちの等身大の姿や、ユニークな「生の声」がうかがえる力作がそろっていますので、ぜひ本書刊行にご期待ください!
○ この作文コンクールの受賞作品集は昨年までに10点を刊行しており、今年で11点目となります。
これまで多くの方にご購読いただくなど、コンクールを様々に支援していただきました。今年春からは、中国関連ニュースサイト「レコードチャイナ」を通じて、これまでの受賞作を紹介する記事を随時配信していただいております。
記事は、同社サイトをはじめ大手ポータルサイト「ヤフーニュース」で配信されることもあり、ネット上の反響も非常に大きく、多い時には記事1本につき数百件ものコメントが書き込まれます。
好意的なコメントばかりではありませんが、中には「実際に日本人に接したことがない人がそう(日本を悪く)思ってしまうのは仕方がないと思う。だからこそ草の根の交流、実際に触れあうことが重要」(10月9日配信記事に対して)などの前向きな意見もあります。
中国の若者が真剣に日本語を勉強していること、日本に関心を寄せていることは、日本の読者にも伝わっているのではないでしょうか。
今回の作品集には、前回(61作品)を上回る、過去最多の上位入賞71作品が収録されています。ぜひ、新しい作品集からも、中国の若者たちの最新のメッセージを受け取っていただきたいと思います。
○ 今回の作品集にはまた、特別収録として「現場の日本語教師15名の体験手記『私は作文をこう教える』」を掲載しました。
これは中国各地で日本語を教える教師を対象として、「わたしの日本語作文指導法」をテーマに作品を募集し、寄せられた15名からの16作品を収録したもの。いずれも実際の経験に基づき、独自に編み出され、また磨き上げられてきた貴重な指導法が明らかにされています。
この作品も、日本語教師をはじめ語学教育に関心のある多くの皆さんに、ご参考にしていただければ幸いです。
「わたしの日本語作文指導法」は来年も随時募集し、できれば単行本化を実現させて、より多くの人のご参考に供したいと考えています。