日本僑報社刊『日本語と中国語の妖しい関係―中国語を変えた日本の英知』の著者で、コンサルタント会社(株)槐樹の創設者であった松浦喬二氏が11月25日、突発性間質性肺炎のため急逝されました。
松浦氏は1937年、吉林省生まれ。父が鉄道技術者だったため、1953年まで中国に留まられました。日本の高校、大学を卒業し、英国系出版社に就職するも1980年に倒産。1982年に自らの原点に立ち戻るべく単身中国へわたり、コンサルタント会社(株)槐樹を設立。多くの日本企業の中国進出に顧問として携わってこられました。
日本僑報社からは2013年に『日本語と中国語の妖しい関係』を出版。
現代中国が使っている、漢字で表現する単語のうち、とくに科学技術、近代哲学、思想、人文科学、社会科学に属するもののかなりの部分が日本製単語であると松浦氏は述べています。その上で、日本と中国の関係をもう一度、言葉と文字の問題にまでさかのぼって検証することで、現在の日中問題を解決する一助にしたい、と本書を著作されました。
日本僑報社の段躍中編集長は、「今年は『日本語と中国語の妖しい関係』をテーマにした講演会も企画させていただきました。松浦先生のご逝去は、日中交流にとっても大きな損失であり、心を痛めております。素晴らしい書籍を残してくださったこと、また日中の文化交流に多大な貢献をなされたことに対し、改めて敬意と感謝を表します。ご生前のご功績を偲び、心からご冥福をお祈り申し上げます」とお悔やみを述べています。
※『日本語と中国語の妖しい関係―中国語を変えた日本の英知』
松浦喬二著、日本僑報社刊
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