1、年間刊行書籍が26点に、漫画版『新疆物語』が話題の本に
日本僑報社の2015年の刊行書籍が全26点を数えた。これは小社の年間刊行数の中でもトップクラス。朝日新聞、毎日新聞、週刊朝日など多くの大手メディアの書評欄などで紹介された。
その中には、中国の著名な2人の著者――メディアと外交のプロである趙啓正氏と呉建民氏による最新刊の日本語版『中国式コミュニケーションの処方箋』、知られざる新疆の魅力を楽しいイラストエッセイで紹介した中国ベストセラーの初日本語版『新疆物語―絵本でめぐるシルクロード』、また中国近代文壇を代表する豊子愷の児童文学全集シリーズ(全7巻、今年は計3巻を刊行)などがある。
各書籍や著者への評価も高く、『よりよい共生のために―在日中国人ボランティアの挑戦』の編著者である張剣波氏(中日ボランティア協会代表、早稲田大学政治学博士)が、学術研究団体「国際アジア共同体学会」の第3回「岡倉天心記念研究奨励賞」を受賞。
中国人民大学の徐園博士著の『日本における新聞連載 子ども漫画の戦前史』(2013年刊)が中国教育部主催の第7回「高等学校科学研究優秀成果賞」の社会学分野で、著作賞の3等賞を受賞した。
2、第4回「日中出版界友好交流会」を開催
中国出版社と30点の出版契約実現、ノーベル医学生理学賞受賞の屠ヨウヨウ氏の自伝も
第4回「日中出版界友好交流会」を中国側と共催(7月2日、衆議院議員会館会議室で)。日中双方の出版関係者ら約150人が出席し、今後の相互協力に関する取り組みなどについて熱心な意見交換を行った。
宮本雄二・元中国大使が基調講演を行い、NHKがニュース番組で速報するなど、多くのマスコミに注目された。
また今年は、中国の出版社と計30点に上る出版契約を実現。中には2015年のノーベル医学生理学賞を受賞した科学者・屠ヨウヨウ氏の半生を描いた「屠ヨウヨウ伝」の日本語版も含まれる(ヨウは、口偏に「幼」)。
3、第11回「中国人の日本語作文コンクール」を開催
日本僑報社・日中交流研究所が主催し、今年11年目を迎えたこのコンクールには、中国各地の大学や専門学校など180校から4749本に及ぶ過去最多の応募作が寄せられた。
この第11回コンクールの表彰式と日本語スピーチ大会が12月12日、北京の日本大使館で木寺昌人大使をはじめ、上位入賞者ら関係者約200人が出席して盛大に開かれた(表彰式共催:日本大使館)。表彰式の模様は、コンクールのメディアパートナーである朝日新聞が詳しく報じた。
それから、第10回「中国人の日本語作文コンクール」の最優秀賞・日本大使賞を受賞した姚儷瑾さん(上海・東華大学)が2月1日から8日まで、副賞の「日本1週間招待」を受けて初めて来日、都内各所で受賞の喜びを報告した。
とくにNHKラジオ第一放送の報道番組「私も一言!夕方ニュース」に生出演したほか、日本記者クラブでの記者会見に日本語作文コンクール受賞者としては初めて招かれるなど“若手の民間大使”として精力的に活動した。
4、日中翻訳学院:受講生らが多くの翻訳本を刊行、第3回翻訳新人賞を授与
日本僑報社・日中翻訳学院の受講生・修了生が翻訳に携わった小社刊の単行本は、今年だけで全12点を数えた。これは受講生らによる小社刊・翻訳書籍の年間刊行数の過去最多を記録。
また日中翻訳学院より、第3回翻訳新人賞を『中国発展報告―最新版』の訳者、平間初美さん、『中国出版産業データブックvol.1』の共訳者、井田綾さんと舩山明音さん、そして『一角札の冒険』の訳者、小室あかねさんにそれぞれ授与した。
5、日本図書館協会の選定図書に4点選定、過去最多
日本の図書館を代表する総合的な全国組織、公益社団法人日本図書館協会が選定する「日本図書館協会選定図書」に小社刊の書籍が今年は4点選ばれた。これは年間で過去最多の実績に。
今年、選定図書に選ばれた書籍は、(1)『日中関係は本当に最悪なのか―政治対立下の経済発信力』(2)『春草―道なき道を歩み続ける中国女性の半生記』(3)『新疆物語―絵本でめぐるシルクロード』(4)『よりよい共生のために―在日中国人ボランティアの挑戦』の4点。
6、文芸新人賞を創設、初の受賞作品は『夢幻のミーナ』。第17回「華人学術賞」は中国人の博士論文に
日本僑報社社が新たに設立した「文芸新人賞」の受賞作品が、龍九尾氏の 『夢幻のミーナ』に決まった。同作は、ある理由から次第にクラスで孤立する主人公・ナミを通じて、思春期の苦しみや複雑な人間関係を描いたもの。11月13日、池袋で開催された。新文化、トーハン週報など受賞作を取り上げて下さいました。
第17回「華人学術賞」の受賞作品を、中国社会科学院の江秋鳳博士による「現代中国における農民出稼ぎと社会構造変動に関する研究」に決定した。受賞論文は今年7月、日本僑報社より出版された。
7、中国の国家級シンクタンクで「日本出版界の現状」などについて講演
日本僑報社の段躍中編集長が、中国の国家級シンクタンクである中国新聞出版研究院に招かれ、「日本出版界の現状と日本僑報社の20年」と題して講演した(9月23日、北京の同研究院で)。
講演後、日中出版交流の強化のために、双方の具体的な協力内容について熱心な意見交換を行った。
8、「新文化」紙トップに中国出版事情の紹介記事が掲載、『中国出版産業データブック vol.1』刊行
出版業界の専門週刊紙「新文化」(新文化通信社)9月10日号1面トップに、段躍中編集長による中国最新出版事情に関する記事が掲載された。
「『成長』と『沈滞』…対照的な中・韓出版界」と題する特集の中で、段編集長は「中国書籍10%の伸び 書店売上げ15年で2.5倍超に」として、8月末に北京で開催された国際ブックフェアに出席し、そこで得てきた中国出版産業の最新情報や印象を踏まえて、中国出版産業の生(なま)の動向について報告した。
またこれに先立ち、中国出版業界の最新動向を網羅した『中国出版産業データブック vol.1』が小社から刊行された。
9、段躍中編集長、NHKラジオ深夜便に出演
段躍中編集長がNHKラジオ第1&FMで放送の人気番組「ラジオ深夜便」に出演した。同番組の「明日へのことば」というコーナーで、5月14日(水)午前4時5分から放送された。
日中関係がなお難しい時期にあった中で「このような現状を憂えて、市民レベルで草の根交流を図り、両国民の良好な関係を築いていこうと努力している」1人としてスポットが当てられた。
同コーナーでは「日中相互理解は日本語作文から」と題して、中国人の日本語作文コンクールをはじめ、出版社・日本僑報社の設立と出版物、中日民間交流への貢献、日中のこれから――など幅広い内容について、段編集長が日本語で熱い思いを伝えた。
10、週刊『エコノミスト』、段躍中氏インタビュー記事を大きく掲載
経済専門誌『週刊エコノミスト』(毎日新聞社)9月15日号の「ワイドインタビュー 問答有用」に、日本僑報社の段躍中編集長のインタビュー記事が大きく掲載された。
日本僑報社創立20周年を迎える2016年を前に、段氏は「両国関係が悪くなったからといって、ぶれる出版社ではありたくない」「これからも、日中関係の発展にかかわる多くの人々の奮闘ぶりを記録し続ける出版社でありたい」と“ぶれない”目標を力強く語った。