若者らしい斬新な切り口と興味深い分析が溢れる――『日中経済交流の次世代構想』 まえがき
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2015 年に募集した第4回宮本賞(学生懸賞論文)の受賞論文を一冊の本にまとめることができました。昨年に続き、2回目の出版となります。受賞したいずれの論文にも、若者らしい斬新な切り口と興味深い分析が溢れており、これから日中関係を発展させていくうえで、貴重なヒント、手掛かりを提供するものと確信いたします。
日本日中関係学会(会長:宮本雄二・元中国大使)では、2012 年から「宮本賞(学生懸賞論文)」をスタートさせました。日中関係は、これから日中両国にとってだけではなく、この地域全体にとってますます重要になってまいります。とりわけ若い世代の皆さんの果たす役割は大きいものがあります。若い世代の皆さんが、日本と中国ないし東アジアの関係に強い関心を持ち、よりよい関係の構築のために大きな力を発揮していただきたい。日中関係学会などの諸活動にも積極的に参加し、この地域の世論をリードしていってもらいたい。宮本賞はそのための人材発掘・育成を目的として創設いたしました。
テーマは日本と中国ないし東アジアの関係に関わる内容の論文、レポートとなっております。分野も政治・外交、経済・経営・産業、文化・教育・社会、環境、メディアなどと幅広く設定しております。
2012 年の第1回には合計12 本、2013 年の第2回には合計27 本の応募がありましたが、質量ともにまだ十分なレベルには達しておりませんでした。そこで2014 年の第3回では、中国大陸の多くの大学の学生さんにも幅広く応募を呼びかけるとともに、「学部生の部」と「大学院生の部」に分け、学生の皆さんが応募しやすくしました。こうした改善策が奏功し、第3回では「学部生の部」で29 本、「大学院生の部」で20 本、合計49 本の応募を得ることができました。また第3回の受賞論文12 本を日本僑報社のご協力を得て、一冊の本にまとめ、出版することが出来ました。
本書では2015 年に募集した第4回宮本賞の受賞論文13 点を全文掲載しております。第4 回宮本賞では、「学部生の部」で24 本、「大学院生の部」で27 本、合計51 本の応募があり、前年をさらに上回りました。中国大陸の多くの大学からも応募がありました。論文のレベルも年々向上著しいものがあります。
2016 年の年明け早々に6 人の審査委員が集まり、厳正な審査を行った結果、「学部生の部」では、方淑芬さん(日本大学商学部)ら6 名の執筆による「日中経済交流の次世代構想~華人・華僑の新しい日本展開をめぐって」論文を最優秀賞に選びました。「大学院生の部」では残念ながら最優秀賞の該当者がおりませんでしたが、龍蕾さん(広東外語外貿大学東方言語文化学院)ら4 人を優秀賞に選ぶことができました。
2016 年1 月20 日には、神田・学士会館にて表彰式を行いました。さらに5月には、受賞者による「発表会」を行う予定です。
このように宮本賞はすっかり軌道に乗り、日中の若者による相互理解を深める上で、大きな役割を発揮し始めています。2016 年も第5 回宮本賞の募集を行います。皆様方のご協力を得て、よりすばらしい「宮本賞」にしていけたらと願っております。
日本日中関係学会会長・「宮本賞」審査委員長
宮本雄二