「人民中国」6月号のインフォボックスページに、新刊『悩まない心をつくる人生講義』(チーグアン・ジャオ著、町田晶(日中翻訳学院)訳)が紹介されました。ご紹介ありがとうございます。

推薦の言葉
元国連事務次長 明石 康
今回日本で出版される本は、趙啓光氏の才能あふれる新鮮で説得力に富むエッセイを集めたものである。彼はアメリカの大学生たちを前に、生と死やアジアの歴史を解りやすい英語で語った。
趙啓光氏の基盤にあるのが老子の思想である。老子は難解といわれるが、趙氏の筆にかかると、日本人にとっても親しみやすい平易な思想家になる。わが国では、聖徳太子の頃から孔子の教えが、老子の思想よりも広く流布されてきた。しかし中国ではそうでもない。私の知る多くの中国人は、堅苦しく感じられる孔子よりも茫漠とした老子に魅かれるようだ。人生をどう生きるかとか、政治について語る孔子よりも、人間を大きく包んでいる自然や地球環境、水などに関連して人生を語る老子の方が、もっと現代人に近く感じられるのだろう。
趙啓光氏の文章は短く、軽やかで徹底的に明るい。人生はたしかに悲劇や不幸に充ちているが、距離をとってみると宇宙の壮大さの中で前向きに生きる意味がわかってくる気がする。澄み切った知性から生まれた老子の哲学が与えてくれるものは多い。