聖教新聞 2016.9.2 一面のコラム「名字の言」に、大森和夫・大森弘子夫妻の新著『日本語で日本理解を!夫婦の「手作り・日中交流」28年』が取り上げられました。ありがとうございます。より多くの方に読んで戴くため、勝手ながら転載させて戴きます。
母子の何げない会話。「ちょっと、そこの雑草抜いといて」「えっ、これ雑草じゃないよ。ヒメジョオンって言うんだよ」「へえー、名前聞いちゃうと抜きにくいね」。手前みそだが、これはラジオで流れている本紙CMの内容だ
▼国と国の関係も似ている。例えば日中関係は悪化と改善を繰り返しているが、「中国」「中国人」等と相手を集団で捉えると角が立つ場合も、「王さん」「李さん」という友人がいれば、相手の身になって考えようとの思いも湧いてくる
▼全国紙の記者を48歳で辞め、以来28年を、妻と二人三脚で日中交流にささげた大森和夫さんの手記を読んだ(『夫婦の「手作り・日中交流」28年』日本僑報社)
▼夫妻は日本の歴史や四季等を紹介する日本語教材を自主制作し、210を超える中国の大学に寄贈。日本語作文コンクールも中国で16回開いてきた。その中で、中国の学生には、日本の国と人々を理解したいという熱意があり、互いを知ることが友好の基盤だと痛感したという
▼池田名誉会長が開いた日中友好は、青年・学生の交流に最も力を注いできた。1968年9月の国交正常化提言も対象は学生で、“日中の青年同士、手を取りあおう”と訴えている。一人と一人の友情から国と国の友好へ――ここに平和への王道はある。(馨)