【日本僑報社発】日本僑報社の発表によると、第12回中国人の日本語作文コンクール受賞作品集『訪日中国人 「爆買い」以外にできること』が12月上旬、同社から刊行される。
今年12年目を迎えた同コンクールは、日本僑報社・日中交流研究所が主催。在中国日本国大使館、日中友好7団体などが後援し、株式会社ドンキホーテホールディングスと東芝国際交流財団が協賛、さらに朝日新聞社がメディアパートナーとなり開催された。
今回の受賞作品集には、中国各地の189校(大学、大学院、専門学校。前回は180校)から寄せられたコンクール史上最多となる5190本(前回は4749本)の応募作のうち、3等賞以上の上位入賞作81本を収録。
最近の日中関係が「改善の勢いがみられるものの、まだ弱い」といわれる依然難しい時期にある中、過去最多の応募総数を記録したことで、中国の若者たちの日本への関心がますます高まっていることがうかがえるものとなった。
今回の日本語作文コンクールのテーマは、
(1)訪日中国人、「爆買い」以外にできること
(2)私を変えた、日本語教師の教え
(3)あの受賞者は今――先輩に学び、そして超えるには? ……の3つ。
そのうち上位入賞作((1)36本、(2)43本、(3)2本)を一挙掲載した本書には、一般の日本人には普段なかなか知り得ない中国の若者たちの「心の声」や新鮮な視点、ユニークな提言がうかがい知れる力作がそろっている。
最優秀賞・日本大使賞に選ばれた白宇さん(蘭州理工大学4年=応募時点)の作品「二人の先生の笑顔が私に大切なことを教えてくれた」は、日中関係が最悪となった大学入学当時、日本語の専攻に消極的だった筆者が、2人の日本人教師との出会いとその熱心な教えにより、日本語専攻に誇りを持つまでになった、その成長の過程が生き生きと綴られている。こうした中国の若者たちの「本音」からは、日中関係の未来への明るい希望を感じ取ることができる。
また今回12作目となった受賞作品集には、最優秀賞・一等賞受賞者の作品に加えて、同筆者それぞれのプロフィールを初めて掲載。作品とプロフィールを通して、筆者の考えやその人となりを深く知り、中国の若者たちをより身近に感じることができるだろう。
【中国人の日本語作文コンクールとは】
日本僑報社・日中交流研究所が主催する「中国人の日本語作文コンクール」は、日本と中国の相互理解と文化交流の促進をめざして、2005年にスタート。中国で日本語を学ぶ、日本に留学経験のない学生を対象として、今年(2016年)で第12回を迎えた。この12年で中国全土の300校を超える大学や大学院、専門学校などから、のべ3万3171名が応募。中国国内でも規模の大きい、知名度と権威性の高いコンクールへと成長を遂げている。作文は一つひとつが中国の若者たちのリアルな生の声であり、貴重な世論として両国の関心が集まっている。