
【日本僑報社発】日本僑報社の『豊子ガイ児童文学全集』(全7巻)が先ごろ、書評紙「週刊読書人」で知られる(株)読書人の公式サイトで紹介された。
日本大学の山口守教授が「文芸2016年回顧 中国 何が翻訳されるかよりそれをどう読むか論じた方が有意義」と題し、昨年日本で刊行された中国文学の翻訳作品を回顧したコラムの中で取り上げたもの。
山口教授は、「今年(2016年)は魯迅逝去八〇周年にあたり、中国国内で記念行事が行われたが、一方で中華民国期文学が次第に遠ざかっていく感もある。だが時の経過と共に文学の蓄積が増えることはむしろよいことだろう。文学は作家によって書かれた瞬間に過去に属するが、読者が読むことで誕生する、現在・未来に属する芸術でもあるからだ」などと解説。
その上で、2016年の翻訳作品について「個別作家でも巴金『寒い夜』(再版、立間祥介訳、岩波文庫)、『豊子ガイ児童文学全集』(全七巻、日本僑報社)があり、更に中国近代思想理解に欠かせない陳独秀の著作集『陳独秀文集』(全三巻、平凡社)の刊行が始まるなど、民国期の優れた作品・文章を日本語で読む機会が増した。また魯迅、巴金等の研究書も出版されている」などと紹介した。
※「文芸2016年回顧 中国 何が翻訳されるかよりそれをどう読むか論じた方が有意義」
山口守・日本大学教授
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