本日から発売されている『激動中国』の著者で、中日新聞論説委員の加藤直人は、2月3日付の紙面で下記のコラムを書いた。
上海 友好つむいで30周年
2017年02月03日 http://tabi.chunichi.co.jp/from-the-world/161214shanghai.html
創立30周年を迎えた上海日本人学校で、記念式典が開かれた。日系企業などの寄付で1987年に児童生徒61人で創立されたが、前身は75年に在上海日本総領事館の一室を借りて7人でスタートした上海補習学校にまでさかのぼる。
中国の歴史を振り返れば、78年に対外開放にかじを切って改革開放政策が進み、91年に上海浦東の開発が決まった。
日系企業の中国進出に伴って規模は拡大し、2013年には2校ある上海日本人学校の児童生徒数は計約3200人と世界最大の日本人学校となった。
だが、尖閣問題による日中関係の悪化や、大気汚染、物価高などの原因で在校生は減少し、今はバンコクの日本人学校に次ぐ2400人にまで減少した。
まさに、日中関係の変遷を映し出す鏡のような学校といえるが、子どもたちは元気いっぱい。式典で代表の6年生女子は「日中友好の懸け橋になりたい」と、2つの文化を学んだ児童としての抱負を力強く語った。
校庭では、児童生徒や教職員のほか中国の現地交流校の関係者も参加し、2700人が日中共同で大きな「30」の人文字をつくった。 (加藤直人)