朝日新聞 12月17日(土)付 夕刊 第二面
日本を発信 報道官
中国記者との付き合い伝授
国交樹立以来、最悪といわれる日中関係の最前線で、中国大陸の13億人に向けてメッセージを発信し続けて約2年。北京の日本大使館の報道官、井出敬二公使・広報文化センター所長(48)が「中国のマスコミとの付き合い方」(日本僑報社)を出版した。
「題名はハウツー本のようですが、そんな本があったら私がまず読みたい」と笑う。同書は中国の新聞、雑誌に掲載されたインタビュー記事と、中国の日本語情報誌に連載した記事を日本語と中国語の両方で紹介。日本の否定的な側面を報じがちな中国の記者たちに「バランスのとれた報道を」と注文する場面も何度か出てくる。
「十分な相互理解があれば、大きな関係は揺るがない」と信じる。「13億人が日本への理解を深めるための重要な手段は、やはりマスコミ。インタビューは多い時で週に3、4回になりますが、来る者は拒まず、です」(坂尻信義)