【内容紹介】
中国は「創新(イノベーション)」を掲げ、工匠精神の発揚、AIの開発、ビッグデータ、産業ロボット、基礎理論開発投資、ブランド育成など、OEM大国から技術大国へ転換を図る一方、「一帯一路」政策で世界に雄飛しようとしている。
本書は、中国を代表する新聞「人民日報」から、最新の情報や用語を含む最近一年間の記事を厳選し邦訳、監訳者の解説つきで中国の最新情報を紹介し、中国を見つめる深く総合的な視点と、歴史に根差した文化的視点で多面的に中国を読み解く。日中関係のみならず、世界情勢を理解する一助に。
戦後の日中交流は、中国大陸に残された日本人居留民とB・C戦犯を日本に帰還させることから始まっている。なぜ、戦犯とされた1000人前後の生存者が無事帰国できたのであろうか。それは、李徳全という、当時中国で最も著名な女性が動いたからであった。李氏の夫は馮玉祥。西北軍閥の将軍で、「クリスチャン・ジェネラル」とも呼ばれていた。
今年(2017年)は、日中が国交正常化して45周年の節目の年である。その記念すべき年に日中関係が正常化する18年も前の秘話が日本と中国において出版される。
李徳全は、日中国交正常化が田中角栄と周恩来の手によって成される1972年9月29日、その五ヶ月前の4月23日に亡くなっている。李徳全は日中国交正常化のために「黄金のクサビ」を打ち込みながら、それを知ることもなく天に召されたのであった。