【永遠活在我們心中】白西紳一郎先生 謹んで哀悼の意を表します
本日の白西先生を偲ぶ会に参加できなく、小文を持って追悼の意を表します。
○ その生涯をかけて日中友好に尽力された白西紳一郎先生(日中協会理事長)の突然の訃報に接し、言葉を失っております。
その晩は中国SNSの「微信」(ウィーチャット)で白西先生の悲報に接し、信じられない思いでいっぱいでした。77歳でした。日本人の平均寿命は男性80・75歳(厚生労働省)ということですから、まだこれからも変わりなくご指導をいただきたかったのですが、残念でなりません。
私のブログや微信を見たというアメリカや北京に在住する友人たちからも、哀悼の意を表すコメントをいただきました。
この場をお借りして、ご生前のご厚情に深く感謝するとともに、故人のご功績を偲び、謹んで哀悼の意を表します。
○ 弊社と私(段躍中)個人とは、約20年もの間、親しくお付き合いをしていただきました。そこで、ここでは「書籍」「湖南省友の会」「漢語角」という私どもに関わる3つの面から、白西先生を追悼したいと思います(以下の記事もご参照ください)。
白西先生は日中国交正常化(1972年)以前から600回以上の訪中を重ねられ、その生の中国情報は講演会や研究会などで惜しげもなく紹介されてきました。
弊社からは9年ほど前に刊行した、初代中国公使・林祐一先生の著書『日中外交交流回想録』(2008年)を自ら企画し、編集されたのが白西先生でした。林先生は今年100歳になられます。同書の出版記念パーティーの際にも、自らご高齢の林先生を連れてこられ、お元気な挨拶をいただくことができました。
先日の9月26日には、東京都内で開かれたあるパーティーで白西先生にお会いしたばかりでした。その席でも林先生の話が出て「定期的にお見舞いに行っている。またお見舞いしたい」とおっしゃっていました。白西先生ご本人のお元気そうな姿に接したばかりでしたから、本当に驚きと悲しみを抑えることができません。
書籍という点では、もう1つ。白西先生は9月末に、弊社書籍の『対中外交の蹉跌―上海と日本人外交官』(片山和之著)と『激動中国―中国人記者には書けない「14億人への提言」』(加藤直人著)をそれぞれ5冊、注文してくださいました。「協会役員に読んでもらいたい」と購入され、うれしく思うとともに、その勉強熱心なお姿には感銘を受けました。
○ 白西先生はまた、中国の幅広い層との交流にも尽力されました。政界、経済界など多くの訪日団を受け入れてこられたほか、若手幹部時代の李克強首相をご自宅に1週間ほど招かれたこともあったそうです。そういうご縁から、昨年末に刊行されたばかりの『漫画で読む李克強総理の仕事』(チャイナデイリー編著、日本僑報社)をお贈りしたところ大変喜ばれ、「今の中国事情を知る上で大変重要な本だ」と会員にご紹介くださいました。
私のふるさと中国湖南省との交流にも、多大なご尽力をいただきました。かつて湖南省党委員会書記務めた周強氏は現在、最高人民法院長ですが、その周強氏とも長年よい関係を築かれていたようです。
2009年には、日本と中国湖南省の友好交流促進を目指す「日本湖南省友の会」を発足しました。立ち上げの際には共同代表の一人として参画されたほか、野田毅氏(衆議院議員、日中協会会長)を同会顧問として推薦してくださいました。
その後も、日本と湖南省との友好交流促進のため多大なお力添えをいただいたことは、1つの特筆すべきご功績です。
○ 白西先生は、日中草の根交流会「星期日漢語角」(日曜中国語サロン)に対しても、力強く応援してくださいました。漢語角創設3周年、5周年の交流会にも足を運ばれ、中国語でお元気な挨拶をされました。懇親会にも自費で参加され、中国人留学生や中国語を学ぶ日本の若者たちと楽しそうに交流されていた姿が、今もまぶたに浮かびます。
漢語角のみならず、私どもが関わった多くの民間交流会にも積極的にご参加くださり、その都度、先生の日中交流にかける熱い思いに触れて感服しておりました。
○ このように白西先生には、弊社としても私としても多大なご支援、ご指導をいただきました。
今年の日中国交正常化45周年、来年の日中平和友好条約締結40周年にあたり、先生が遺された書籍『日中外交交流回想録』に改めて学び、これからも微力ながら日中友好・日中交流の事業を続けていきたいと思っております。
白西先生、本当にありがとうございました! どうか、安らかにお眠りください。
※下の写真は、先生との最後のツーショット。2017.9.26後楽寮にて