━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
日本僑報電子週刊 第534号 2006年2月8日(水)発行
http://duan.jp 編集発行:段躍中(duan@duan.jp)
■段躍中日報 http://duan.exblog.jp/■
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
★在日中国人学者けい志強教授新著刊行特集★
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
読者の皆様、晩上好。
只今、中国大使館にて行われた2006年華僑華人新春招待会を取材して帰ってきました。いつものように多くの同胞と会い、懐かしい話もして、精神的にいやされたとの感じです。しかし、今年はもう一つ異様な感じもしています。王毅大使が挨拶しているとき会場のうるさい雑音がいまだに頭の中に響いています。確かに数百人の会場で、雑音をする人は必ずいると思いますが、問題は一国の大使の挨拶、しかも大使館の華僑華人の為に、いろいろ実行していく改革方案について丁寧に説明したところにも関わらず、皆さんが一所懸命に私語していました。ある参事官は静かにしてくれない聴衆の様子を見て、スピーカーの音を最大にしてくれと担当者に指示を出す場面も目撃しました。うるさい会場の中に、王毅大使は声高く予定通り挨拶し、乾杯の発声をしました。
早めに帰るとき、ある在日中国人記者と同行しました。今夜のうるさい様子について、感想を聞いてみました。日本人の新年会も多く参加しましたが、挨拶されるときは、誰も静かに挨拶を聞いていました。中国人も日本人のパーティーに参加されるときは、日本人と同じように挨拶するときは喋らないと、あの記者は率直に言いました。なぜ中国人の集会のとき、中国人の「毛病」が表れたでしょうか、本来なら、入郷随俗、少しでも挨拶する人に敬意を込めて聞いてほしいです。私は体調の関係もあり、大使の挨拶した後、少し用事を済ませて、いつもより早めに帰りました。物質文明と精神文明は、どちらも重要です、とくに海外にいる華僑華人は、教養をもっと高め、和諧社会建設に貢献すべきだと思います。
春節早々、このような感想を記すこともすこし心配していますが、共勉のため、我々の醜いところも社会に公表し、皆さんの監督にお願いしたいです。
さて、今号は、在日中国人学者で、国士舘大学けい志強教授の新著を特集で紹介させて頂きます。留学生問題、特に在日中国人留学生の問題は日中両国の将来と繋がる大変重要な問題だと思います。在日中国人留学生たちを一人一人素晴らしい人材として、宝物として、もっと大切にすることは、けい志強先生の考えで、私たちも同感です。21世紀の日中関係はいま現在日本で勉強している中国人に左右されるといっても過言ではありません。けい志強先生の分析、提言、大変分かりやすいと思います、ご一読を心からおすすめ致します。なお、今月28日午後、日本プレスセンターにて、この著書に関する記者会見を行う予定です、詳細は来週のメルマガに掲載します。ご期待下さい。
段躍中@2006.2.8夜10時
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■団体交流■
2006年華僑華人新春招待会 2月8日夜中国大使館にて開催
http://duan.exblog.jp/m2006-02-01#2659029
日本華僑華人学会機関誌「華僑華人研究」第2号刊行
http://duan.exblog.jp/m2006-02-01#2652791
日本華僑華人学会 独自のドメイン(jssco.org)を取得
http://duan.exblog.jp/m2006-02-01#2652724
第8回早大中国塾2月18日開催のご案内
http://duan.exblog.jp/m2006-02-01#2642607
川崎W(日中混血)女児いじめ訴訟公判(証人尋問)のご案内
http://duan.exblog.jp/m2006-02-01#2632652
中国の第11次5ヵ年規画とエネルギー戦略 講演会のご案内
http://duan.exblog.jp/m2006-02-01#2632566
■特集目次■
内容紹介http://duan.jp/item/022.html
まえがき
本書の目次
著者略歴
書誌データと注文方法http://duan.jp/item/022.html
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【内容紹介】 ここ数年、日本では留学生・就学生の犯罪が増えてきた
ため、日本国民の留学生・就学生に対してのイメージが悪化し、そして、
警戒心と偏見を持つようになった。これは非常に残念な出来事だと言わ
ざるを得ない。しかし、実際のところ留学生・就学生の犯罪の根本的な
原因と背景を理解している日本人はどれほどいるであろうか。より多く
の方々に理解していただくために、長年留学生の募集や指導に携わって
きた現場の一人として、留学生・就学生の犯罪の真相及び日本政府の留
学生受け入れにおける問題点を追求し、この本にまとめることにした。
―本書の「まえがき」より
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
まえがき
ここ数年、日本では留学生・就学生の犯罪が増えてきたため、日本国民
の留学生・就学生に対してのイメージが悪化し、そして、警戒心と偏見
を持つようになった。これは非常に残念な出来事だと言わざるを得ない。
しかし、実際のところ留学生・就学生の犯罪の根本的な原因と背景を理
解している日本人はどれほどいるであろうか。
より多くの方々に理解していただくために、長年留学生の募集や指導に
携わってきた現場の一人として、留学生・就学生の犯罪の真相及び日本
政府の留学生受け入れにおける問題点を追求し、この本にまとめること
にした。
1983年、中曽根康弘首相は発展途上国の人材育成や知的国際貢献の
位置づけで、21世紀初頭までに「留学生10万人受け入れ計画」を国
際公約として打ち出した。
しかし、日本の留学生受け入れは思うように行かず、1999年になっ
てもその数は5万人台であった。そのため、入国管理局が留学生の受け
入れを促すために、2000年から入国の諸手続きを簡素化し、文部省
(当時)は留学生向けの奨学金の増加、留学生全員の授業料の3割減免、
2000年と2001年の2年間、外国から直接入学した留学生に対し、
留学生支援奨学一時金として15万円の支給などの留学生募集の奨励措
置を取った。その打開策の結果、わずか3年間で一気に約4万5,00
0人も急増した。
だが、緩めてまで目標達成を急いだため、この過程の中で入ってきた一
部の金目当ての不適格「留学生・就学生」が、後の留学生・就学生犯罪
の主要な温床となった。犯罪件数から見て、中国人の留学生・就学生の
犯罪が一番多かったためか、法務省がその対策として、2003年11
月以降、主に中国人留学生入学時の在留資格認定証明書申請及び在日留
学生のビザ更新に対しての審査を2000年の簡素化以前よりも厳しく
行ない始め、2004年4月に入学する中国人留学生・就学生の在留資
格認定率が急減した。
留学生受け入れが日本のためになっていると考えるとき、これは残念な
ことである。現在、数多くの留学生が日本に残って仕事をし、自分の才
能を発揮している。また、彼らは母国に戻ってから、各分野のりーダー
になっていく留学生も少なくなく、日本の小説やアニメを翻訳する人、
日本語や日本文化を教える人、政府機関で対日交流のパイプ役を務める
人、日系企業で働く人など、幅広い分野で活躍し、日本と母国との掛け
橋になって、日本の文化を伝播する役割をしっかりと果たしている。彼
らの存在は日本の対外イメージ、国際影響力の向上に、間接でありなが
らも、大きな貢献をしている。
今こそ、留学生が日本の未来に果たす役割を再認識すべき段階に来てい
る。留学生を日本の「重要な戦略資源」と「貴重な財産」にすることが
できるか否かは、日本政府と国民の姿勢が問われている。
なお、雑誌と新聞に掲載された筆者の二つの拙文を少しでも多くの方に
読んでいただければと思い、この本の最後に載せた。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆目次◆
日本から中国への留学生派遣
中国から日本への留学生派遣
留学生相互派遣の意義
留学生は未来の民間大使
世界における留学生獲得競争の激化
中国人に支えられた「留学生十万人受け入れ計画」の達成
安易な募集が招いた留学生・就学生の犯罪
不法滞在者犯罪の背景
外国人犯罪に関するマスコミ報道の影響
在日外国人に対しての寛容が必要
「心の国際化」の不足
留学生の受け入れと派遣に力を入れよう
募集と審査の基準を作るのが急務
留学生寮の確保
留学生に対する経済支援を強化せよ
「日本留学試験」を廃止へ
留学生と就学生の区別をなくそう
永住外国人へ地方参政権を与えるべき
日本への留学生の減少傾向
文化の受信と発信のアンバランス
日本の大学に対する評価の低下
留学生を「親日派」にして帰してほしい
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【著者紹介】中国内蒙古自治区生まれ。大連外国語学院日本語学部卒。
北京日本語研修センター終了。1985年北海学園大学留学、1992
年より北海学園北見大学講師、助教授を経て、現職。元内蒙古大学日本
語学科長、講師。現日本中国語学会理事、在日華人漢語教師協会理事、
日中対照言語学会理事。中国海口経済職業技術学院(大学)客員教授。
専攻:日本語文法論、日中言語対照研究、日中文化比較研究
著書に、『日本語表現の研究』(単著)、『中日・日中学習辞典』(共
編)、『日本と中国ことばの梯』(共著)、『当代中国人看日本』(共
著)、『実用中国語会話』(単著)、『覚えやすい中国語』(単著)、
『すぐに使える初級中国語』(単著)他多数。また、今までに120編
余りの論文などを発表している。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
書誌データと注文方法
書名 留学生を日本の宝物として扱おう
著者 けい志強
発行 日本僑報社
判型 新書判180頁並製
定価 950円+税
発売 2005.2.1
注文 171-0021東京都豊島区西池袋3-17-15日本僑報社
TEL 03-5956-2808 FAX 03-5956-2809
インターネット注文先 http://duan.jp/item/022.html
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
日中関係・華僑華人情報専門誌・毎週水曜日発行 編集発行:段躍中
1998年8月創刊・無断転載禁止。
著作権は日本僑報社またはその情報提供者に帰属します。
情報のご提供と問い合わせはduan@duan.jpへどうぞ
●中国研究書店e-shop→http://duan.jp●
△登録・解除http://www.mag2.com/m/0000005117.htm△
■段躍中日報 http://duan.exblog.jp/■
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━