【日本僑報社発】日本僑報社・日中翻訳学院は、学院創立10周年記念イベントの第3弾として、翻訳家の武吉次朗先生が塾長(講師)を務める中文和訳の通信講座「武吉塾」の第20期公開セミナーを9月22日(土)午後、東京・豊島区の西池袋第二区民集会室・大会議室で開催した。
今回のセミナーは、10月から始まる第21期講座より講師から“顧問格”となられる武吉先生の「最終講義」。中国語翻訳のプロを目指す受講生ら40人余りが、通信講座とは趣の異なる武吉先生の“肉声”の講義に熱心に耳を傾けた。
来賓として、次期より新講師に就任する同学院出身の翻訳家、町田晶さん、東滋子さん、中文日訳講座「高橋塾」の塾長を務める高橋弥守彦先生(大東文化大学名誉教授)が出席した。
セミナーではまず、日本僑報社の段躍中編集長がパワーポイントを使い、写真などで振り返りながら翻訳学院10年の歩みを報告。受講生・修了生たちの35点を超える書籍翻訳の実績や、20期までに10回(期)以上受講した受講生11人などが紹介された(下記参照)。
また、段編集長から「武吉塾」20期10年間の労をねぎらい、武吉先生に感謝状と花束が贈られると、会場からは大きな拍手が送られた。
続いて、武吉先生が第20期(約4カ月・全15回)の添削を終えての総評を交え、基調講演を行った。その中で、特に中国語文法における「虚詞」について取り上げ、「副詞・前置詞・接続詞・助詞など、文法上の働きをするだけの単語」である虚詞の訳し方に「工夫が足りない。ぜひ今後の課題にしてほしい」といくつかの例文を挙げ、比較しながら、よりよい日本語訳を伝授した。
また「10年間を振り返って」として、武吉塾20期までの軌跡を振り返った。
それによると武吉塾は、2008年11月4日の開講から第20期まで受講生は「実数で202人、延べ608人」にのぼり、「9割以上が女性で、40代と50代が主力だが、最近は若い人が増えてきた」と発展してきた。
さらに先生が添削した訳文は計約7500通に上り、そのうち国内向けの郵送分は先生自らが宛名と切手を貼ったことなど、様々な苦心を重ねた思い出が打ち明けられた。
その上で先生は「皆さんの熱心さに励まされ、10年間を大過なく務めてきたが、86歳の今年はさすがに体力気力の衰えを痛感するようになった」として、次期からは顧問格に退く意向を表明。武吉塾への変わらぬ支援を願った上で「10年にわたるご支援とご厚誼、ほんとうにありがとうございました」と感謝の言葉で締めくくった。
この後、新講師の町田晶さん、東滋子さんがそれぞれ「所信表明」の挨拶をしたほか、翻訳学院の学院長に就任予定の高橋弥守彦先生から、会場の受講生に激励の挨拶があった。
懇談会では、和やかな雰囲気のもと参加者たちがよりこなれた翻訳のノウハウについて意見交換するなど、交流を深め合った。
◆「武吉塾」第20期までの10回以上受講生(計11人)
17回:牟礼朋子さん、山崎恵子さん/16回:河村知子さん、高橋信恵さん、三好浩子さん/15回:東滋子さん/12回:鬼頭今日子さん、平間初美さん、本田朋子さん、藤村とも恵さん/10回:脇屋克仁さん
※日中翻訳学院
http://fanyi.duan.jp/