
只今確認できた沖縄タイムズ2006年3月28日朝刊文化18面(火曜日)に掲載された記事を転載致します。(共同 写有)
[人物点描]/国際報道官の千葉明さん/日中交流に一役
外務省国際報道官の千葉明さんは、中国でちょっとした有名人だ。ブログインタビューに応じた写真付きの中国語によるコメントが、ネットを通じて広がり、多数の反響が寄せられたという。「インタビューの申し込みなど、中国側からのアプローチが増えたのは、日中関係が厳しくなったここ二年ほど。日本に関心はある。できれば好意的記事も載せたい。そんなメディアの雰囲気も最近は感じます」
何より生の中国語で発信することで、相手が信頼してくれる。留学、大使館勤務など八年間の中国滞在からそのことを痛感した。国際報道官は公募ポスト。北京の日本大使館勤務から応募、一昨年八月に就任した。
「年間八、九十人ほどの記者を中国から招待します。日本を見てもらうのが一番ですから。権威のある新聞ではなく、実際に中国の人たちに影響のあるメディアを選んで働き掛けています」
もらった記者たちの名刺に印刷されたアドレスに小まめにメールを送る。誤解に基づいて書かれた記事に対する反論も大切な仕事だ。「最初は反論を送ってもなかなか載せてくれなかった。でも、最近では七割くらいがこちらの原稿を掲載するようになりました」
テヘラン生まれ。父親も外交官。いわゆる「チャイナスクール」だが、専門家になったのは入省後。「近隣諸国で、メシがうまいところ」を研修先に希望して、縁ができたという。
多忙な公務のかたわら、北京で合気道を教えたり、帰国後、中国の大学受験生を描いた小説「
何たって高三!」(日本僑報社刊)を翻訳するなど、民間交流にも一役買っている。
職場は外務省の"最前線"。弾はどこから飛んでくるか分からない。仕事は増える一方。十数人のスタッフを束ね、休みも十分取れない。「不愉快な対日報道も多いですが、日本の立場を主張するチャンスだと思って取り組んでいます」
(写図説明)「一人でも多くのジャーナリストに会って、日中のギスギスした雰囲気を改善したい」と語る千葉明さん=東京・霞が関の外務省