
本書は、中国版「ロミオとジュリエット」とも言われる、日本ではまだ知る人の少ない美しい愛情物語、悲恋の物語を日本に正しく知らしめようという壮大な目標を持つシリーズの第一弾である。
著者は定年後時をおかず北京外国語大学に留学、中国語学習をゼロより開始し、ついには卒業論文をまとめた。著者がかのシュリーマンの如く伝説の真相を解き明かそうと、中国全土をめぐり踏査した結果をまとめた論文は、同時に著者の取材の旅を記録したドキュメンタリーである。
三百人に及ぶアンケート調査から始まり、中国でさえ「ただの物語」としか認識していない人が大部分という状況下、伝説の墓が存在するとされる中国各地を経巡った。踏査と調査の結果は、こんな歴史的事実があったのかと、道ばたの八百屋のおばさんから大学の先生に至るまで、多くの中国人を驚かせた。
中国の梁祝文化研究会会長がその内容の見事さに感嘆し、中国で六月に刊行される梁祝全集の第一巻「理論研究検討編」に収録を決定。また、卒業にあたり大学において優秀論文の表彰を受けた。
著者略歴 渡辺 明次(わたなべ あきつぐ) 一九四一年生まれ。七〇年、中央大学文学部卒業。七二年より高校教諭となる。二〇〇二年に定年退職後、北京外国語大学国際交流学部に留学。〇六年本科を修了。北外の卒論がこの書である。
5月下旬発売予定。